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海野ごはん
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キャンドルで君が脱ぐ

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キャンドルで君が脱ぐ




まだ彼女とは付き合って3ヶ月しか経っていなかった。
仕事が終わりバーで好きな酒を二人で飲む。それが僕達の毎日のデートだった。
40代の僕達はお互い今までパートナーを変えながらここまで来ていた。
結婚は墓場のようなものだと聞かされていたので特にする気もなくここまで来てしまったというのが本音だ。

季節は秋から冬になり、街中にクリスマスのイルミネーションがあちこち飾られている頃、
「どっか海外でクリスマスしたいね」とルミは言って来た。
確かに行きたいのは山々だが働き盛りの僕達には休みが取れなかった。ルミとは同じデパートで働いているがセクションは別々で、職場の中では滅多に顔を合わせることはない。
ルミは下着売り場の担当を、僕は外販部門の課長をしていた。
「せっかくだからどっかに行こうよ」
ルミがグラスの中の氷を回しながら聞いてきた。
何がせっかくだかわからない。クリスマスの季節だから行くのか、せっかく付き合ってるのだから行くのか?まあ、どちらでもいいんだけど・・・。
休みを取れるのは忙しい時期なので2日間が限度だ。
つまり1泊2日しか行けないわけだ。海外なんて無理に決まってると思っていた。

「ねえ、調べたんだけど長崎のハウステンボスって知ってる?」
「ああ知ってるよ。オランダの街並みを再現させたテーマパークだろ」
「あそこにあるホテルがいいらしいの。海外にいる気分になるって友達が言ってたわ」
「ふ~ん、そこだったら、海外に行かなくても雰囲気に浸れるって訳だ。行きたいの?」
「うん、イルミネーションも凄いんだって。花火も上がるらしいの」
冬の花火か・・・
僕は寒空に消える大きな花火を想像した。
「いいよ。行ってみようか。ボーナスも出たところだし連れて行ってあげる」
「えっ、ほんと? うれしい~。じゃ私も何かプレゼント考えないと・・・」
「いいよ別に」
実際デパートの「物」に囲まれた世界にいると、形あるのよりも形のないものに魅力を感じてしまう。だから物を貰ったところで、さほどうれしさが込み上げて来ない。

ルミは「どんなのがいい?」と聞いてきた。
「う~ん、サプライズがいい」
「サプライズ・・驚くこと?」
ルミはしばらく考えて、笑いながら「じゃ~考えておくね。楽しみにしといて」と言って、氷が溶けて薄くなったスコッチを飲んだ。
「これからホテルに行こうか」僕は誘ってみたが
ルミは「今度のハウステンボスまでとっといて」と言って、次のおかわりを注文した。