Never stop dreaming.
それで彼女は私の制服の袖をつかんだのだけれど……――。私はその手を振り払ってしまった。自分がいじめられたくない、という理由だけで。私は自分を守るために、彼女を捨ててしまったんだ。彼女の気持ちよりも、自分の気持ちを大事にしていたんだ。そして家に帰り、改めて自分が最低でずるい人間であるという事を知ってしまった。こう思うとかなしくてかなしくて。私なんて生きている意味がないと思って、カッターで手首を切った。流れる血を見て「きれい」だとさえも感じてしまったのである。
もはや抵抗なんてなかったし、痛いとも思わなかった。それぐらい私の心は罪悪感に包まれていたのであった。
後で手首の傷を見ると、本当に後悔してしまった。自分を傷つけても何も変わらない事ぐらい、知っていたはずなのにだ。けれども、自分を抑える事は出来なかった。
これが私の中学生時代に後悔した事である。
【END】
作品名:Never stop dreaming. 作家名:相沢 朋美