Never stop dreaming.
◎our classroom.
24歳になった私が、中学生時代に後悔した事を今から話そうと思う。
…そう、それは私が中学2年生だったとき。つまり、10年まえの事。おなじクラスにいじめを受けている女の子がいた。誰も彼女に積極的に関わろうとしないし、話しかけようともしない。男子は彼女に変なあだ名(名前や苗字からもじっていない)をつけたり、暴力を振るったり、物を投げつけたりし、女子は彼女のプリクラを見て「こいつきもーい!」「なにこれ」と笑ったり、彼女の悪口――「ノイローゼ」やら「きもい」やら「ウザイ」やら「ブス」やら「消えちまえ」やら――が書かれた紙を授業中に回したり(みんなは先生に気づかれないようにやっていたので、先生は誰も気づいていなかった)、彼女の事を何も知らないくせに変な噂――「援交している」など――を流したり、全学年全クラスの黒板に彼女のプリクラを貼って吹き出しを書き、そのなかに
【寂しいよぉ~。誰かあたしの事相手して? TEL:090-xxx-xxx MAIL:xxx.xxx@**.co.jp】
という変な事を書いて回ったりしていた。私は中学生ながらに「くだらない事してる」と思っていたのだけれど、こう言ってしまったら次は私がターゲットになってしまうから言えなかった。「こんな事、もうやめよう?」と言いたくても、言えなかったのだ。
彼女が「誰か助けて…」とでも言いたそうに、目に涙をためていた表情が未だに脳裏に残っている。誰も彼女の事を助けてくれなかったから、私に助けを求めていたのだと思う。
作品名:Never stop dreaming. 作家名:相沢 朋美