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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第十四話

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まどかはこの出会いが偶然とは思えなかった。きっとあの夢に出てきた武将がなんらかの手引きをしたのではないかとそう考えた。
一時間ほど話し込んで佐伯を見たまどかはさらに驚いた。
自分の話しに感動してくれたのか、佐伯は泣いていた。

「まどかちゃん、俺にはキミと同じ年の妹が居たんだ。小学校の時に病気で死んだんだけど、ずっと心の中にしまいこんで忘れようとしてた。
なんだか思い出してしまって・・・泣いてしまった。すまん・・・男なのに泣いたりして」

「そんなことがあったの・・・佐伯さん、いや藤次郎さんも悲しい思い出があるのね。話して良かった。仲良くして・・・ダメ?」

「まどかちゃん、まだ中学生だろう?そんな事男に向かって言うんじゃないよ。危ないから・・・」

「ううん、藤次郎さんは運命の人。まどかは妹はいやだから・・・恋人にして?」

「本気か?俺はフリーターだぞ。頭悪いし、金も無いし・・・」

「まどかは中学生よ。何も出来ないからおあいこよ」

「そうか、そうだな。仲良くする運命にあったんだな、俺達は・・・」

「学校があるから休みの日しか逢えないけど都合のいい日は逢ってね」

「ああ、そうしよう。キミの両親に怒られそうだけど・・・大丈夫なのかな?」

「お父さんはきっと反対するだろうけど、いいの。まどかが決めたことだから」

「ふ~ん、しっかりしてるなまどかちゃんは・・・俺の方が子供っぽいよ」

「ううん、藤次郎さんはカッコいいよ」

「マジで?」

「うん!」

「まどかは・・・可愛いよ」

「ほんと?」

「俺彼女なんて出来なかったから晩生だけど・・・まどかのこと一生懸命好きになるよ」

「ありがとう。あなたに出逢えてよかった」

「俺もだ」