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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回・参 かぼちゃっちゃ】

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少し肌寒くでもよく晴れた日曜日
「ちょっと早いけどまぁ遅いよりはいいよねぇってことでトリックオアトリート!!」
王子衣装を着た南がばさっとマントを翻した
「場所提供ありがとな坂田」
「こんだけの人数だしな」
トンガリ帽子を被った坂田が手にした杖で肩を叩きながら言う
「外なら寒いし…和風だけどな」
「おーいカボチャここ置くぞー」
ネズミらしき格好をした中島がオバケカボチャを持って部屋に入ってきた
「…こでいいの?」
そういいながら中島の後から部屋に入ってきた制多迦の衣装も南と同じような王子だった
「あっ僕のカボチャー」
とたとたと走ってきた悠助の衣装もこれまた王子
「…なぁ…いいのかこれは」
「まぁいいんじゃない?」
坂田が南に聞くと南が笑う
「…動きにくいよこれ」
「文句言うなら脱いだらいいじゃないですか」
「綺麗です矜羯羅様!!」
わいわいと騒がしい話し声が廊下から聞こえる
「あっ慧喜ー似合うー!!」
「…うわぁお;」
王子がいるということはそれだけシンデレラもいるということで
そのシンデレラ達が部屋に入ってきた
「ありす…っかわああああああ!!」
ありすのシンデレラ姿を見ると口を押さえて興奮した南を坂田が杖で叩く
「これで幸せになれるの?」
「…意外に似合うし」
矜羯羅が邪魔臭そうにドレスをたくしあげる
「けんちゃんもこんちゃんも慧喜も綺麗ー」
「ありがとうございます」
悠助が矜羯羅と乾闥婆を誉めると慧喜が少しむくれた
「…あうよ矜羯羅」
「そう」
制多迦がへらっと笑った
「ほらお前も何か言えよ相方に」
「うっ…うむ;」
中島が椅子の後ろに声をかけると迦楼羅が立ち上がった
いつものサイズより少しだけ大きくなった迦楼羅が乾闥婆を見る
「…寒くないか?」
「大丈夫ですよありがとうございます」
にっこり笑う乾闥婆
「迦楼羅ボタンきちんととめないとダメじゃないですか全く…」
そして外れていた迦楼羅のボタンをとめた
「…いいのかそれで;」
「何がだ?」
「いや…うん…なんでもねぇでがす;」
中島が突っ込むと迦楼羅が首をかしげた
「そいや京助と緊那羅と…」
「京助ねー緊ちゃんと一緒にヒマ子さん連れてくるって」
坂田の問いに悠助が答えた

「早く見てぇな…」
中島が軽く吹き出す
「どないなことなってんだろな」
坂田もにやにやしながら言う
「まぁ公平にじゃんけんだったからね仕方ないしねー」
ありすと手を繋ぎながら南もなんとなくにやける
賑やかな坂田家の一室
これから起きるひと騒動のことなど誰も知るよしもなかった