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オオバロニアン
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novelistID. 42404
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だみあん☆すらっぐ!

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『Worlds for girls』



ハイサクは基本に忠実であることを尊ぶ。
いつもの猫撫で声が聞こえない朝、それだけでハイサクは来るべき不吉に備えていた。
こんな日は歌うに限る、3桁超の曲目を眺めながらハイサクは帰路についた。

ハイサクは基本に忠実な演出を行う。
いつもの猫撫で声が聞こえない朝、切れやすい靴紐と割れそうな食器を準備した。
こんな日は歌うに限る、3桁超の楽曲は今日の為に念入りに取捨選択されていた。

ハイサクは基本に忠実になりきれない。
いつもの猫撫で声が聞こえない朝、ハイサクの思い描いた基本は唐突に終わった。
こんな日は歌うに限る、ハイサクの思い描いた基本は唐突に終わった。

象徴的に並んだ紅い花びら、ハイサクの進路と同じ方向に続くそれを辿って。白で統一された風景、時間を感じさせないその通りを右に曲がって。ハイサクの視界から消えた花びら。目の前に続く白い道。奇妙に盛り上がり、捻れ、こちらを向く、白い道、だったはずの、白い少女。

紅い花びらをまき散らす猫撫で声だった物を口に咥える白い少女。ぱきぱきり、しゃりむしゃり、なぁーななーなぁー。軽快な咀嚼音を白い世界に響かせて、白い少女は嗤って鳴いた。

負けじと軽快な音をたてて、ハイサクの靴紐は2本になった。花びらが2枚、紐を飾って小さく咲いた。