ZOIDS 外伝 惑星間戦争 1話
リーダーのブレードライガーは怯んだ。
その隙を、ロボが見過ごすわけがない。
ロボは、手に持つマシンガンで、ブレードライガーの腰部を撃ちぬいた。
前面からの防御力は高いが、腰部は、レーザーブレードと、パイプなどの内部機関が露出している。
マシンガンでライガーを撃破するのは容易だった。
ロボはこちらに振り向いてマシンガンを向ける。
マスクマンは、恐怖で操縦桿を動かせない。
「させるか!」
マービスのフォックスが、ロボの後ろに取りついて、噛みついた。
ロボは、背部から襲われるのを取り除こうと、必死にもがいた。
フォックスは、一旦ロボから離れ、再びバルカンで怯んだロボをけん制した。
「マスクマン!今だ!撃てえ!」
「くそおおおおっ!!」
マスクマンは、恐怖も入り混じった怒涛の叫びをあげて、キャノンを撃ちまくる。
どの角度にいっても射程にフォックスは入らない。
撃ちまくったキャノンの弾数が切れるころには、ロボは、完全に沈黙していた。
その、”バトルフィールド”となるはずだった”戦場”に残ったのは、マスクマンと、マービスのみ。
マービスは、マスクマンのウルフに寄り添った。
「マスクマン、もう、敵はいない」
マービスも、相当の疲れを見せていた。
「マスクマン、大丈夫か!?」
応答のないマービスは、キャノピーを降りて、ウルフに近寄る。
ウルフのキャノピーが開き、マスクマンも降りた。
だが、そのマスクマンの顔は、マスクに隠されながらも、確実に恐怖を覚えた顔をしていた。
「安全な所へ…行こう。マスクマン」
「あ、ああ…。俺のせいで…リーダー…は…」
マスクマンは、己の誤射で招いた惨劇に恐怖した。
「…もう過ぎたことなんだ、あの状況で、生き残れるのは、奇跡でしかない…」
そう言って、マービスはフォックスに乗り込んだ。
マスクマンは、天を仰いだ。
それは、普段から見えている空模様ではなかった。
惑星全域で、このような異変が発生していた。
惑星の軌道上に存在するのは、連盟のジャッジサテライトではない。
謎の宇宙艦隊が、惑星Ziの空を覆っていた。
作品名:ZOIDS 外伝 惑星間戦争 1話 作家名:カクト