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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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超短編小説Ⅲ 家の守り神

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「ただいまぁー」
「ニャー♪」
 小学校から帰ってきた優花理(ゆかり)は、家の玄関(げんかん)の前でしゃがみ、そこでじっとしている、白と茶色のしま模様(もよう)のネコの頭をなでた。
「今日もおつかれさま」
 そう言いながら、笑って見せる。
 ネコも「ニャ!」とほほえむ。
「ここに来て、一か月くらいになるね」
 たしか、雨がものすごく降(ふ)ってた日のことだったけ。
 ――学校で友達のともみちゃんと大げんかして、泣きながら帰ったときのことだ。家に帰ったあとに、玄関の前に座り込んでいたとき、この子はやってきた。
 優花理のとなりで、ぬれた体をバタバタとふって、水気(みずけ)を飛ばす。そして、正座するように、背筋(せすじ)を伸ばし、しっぽを立て、じっーと彼女を見続けた。
「ニャー」
「ゆかのお話を聞いてくれるの?」
「ニャアー」
 言葉を分かっているかのように、ネコは高い声で鳴く。