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瑠璃 深月
瑠璃 深月
novelistID. 41971
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天使

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変奏曲
「僕」「金の天使」「銀の天使」

僕  今

   僕の目の前には2体の天使がいる

   右の天使は金の天使
   左の天使は銀の天使

   今

   僕の目の前には2体の天使がいる

   右の天使はやさしく微笑み
   左の天使はきびしく見つめる

   今

   僕は迷っている

   ここに残ると僕は自分の好きな僕になれる
   ここに残ると何にも考えなくてもいい

   今

   僕は迷っている

   ここを去ると痛みが待っている
   ここを去ると本当の僕が待っている

   迷う僕に
   二体の天使はこう言った

金の天使「私に全てを委ねなさい」

銀の天使「自分に全てを委ねなさい」

   僕は、分からなかった
   だって
   金の天使についていったら
   僕は何も考えなくていいから
   何も考えず
   金の天使のいうとおりにしていれば
   僕の好きな僕に出会える
   僕の好きな僕になれる

   なのに
   銀の天使は
   痛いことや
   辛いことばかりを言って
   僕にとっていいことを、何一つ言ってくれなかった
   それに、地上に降りると
   僕のことは
   僕がやらなきゃいけなくて
   僕が本当の僕に出会うために
   僕がいろいろ決めなきゃいけないから
   金の天使が
   僕にとって
   絶対に いい天使なんだって
   分かっているのに

   そんなこと

   分かりきっているのに

   なのに僕は迷っていたんだ

   銀の天使は
   どうして僕にとって
   嫌なことばかりを言ってくるのか
   どうして地上に行くと
   嫌なことばかりがあるのかって

   でも
   僕は決めた

   僕は
   地上に降りるよ

   ここを捨てて
   本当の自分に出会うために

   だって

   銀の天使は
   こう言ったんだもの

   一度だけ
   僕に微笑んで
   心の底から温かい笑顔で
   こう言ったんだもの

銀の天使 「痛みの先にあるぬくもりが、あなたを救うでしょうから」

作品名:天使 作家名:瑠璃 深月