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瑠璃 深月
瑠璃 深月
novelistID. 41971
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天使

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序曲
「僕」「銀の天使」「神の火」

僕  ねえ

   みんなには内緒だよ
   こっそり言うからね
   耳を澄ませて
   ようく聞いてね

   あのね
   僕は草原にいたんだ
   草しかない草原
   地平線までずっと続く草原
   そこに、僕は一人で立っていた
   その草原にいると
   すごく心が落ち着くんだよ
   だから、僕は草原を吹き抜ける風を
   体いっぱいに受けて
   草のにおいのする空気を体中にめぐらせていた

   そしたらね
   天使が舞い降りてきたんだ

   僕がとても幸せな気分だったからかな
   白くてふわふわの衣をまとった天使だった
   そしてね
   天使は言ったんだ

銀の天使 「私を地上に送ってください」

   でも、僕はそのことがよく分からなかったから
   天使の言っていることに「うん」って言えなかった  
   そしたら天使は笑って

銀の天使「正直なあなたにはそれができますよ」

   って言った

   訳が分からなかったから
   僕はそのまま突っ立って

   天使が笑いながら去って行くのを見つめていた

   そして、いよいよ天使の姿が空のかなたに消えていくかなって
   そんな時
   声が聞こえたんだ

神の火「地震が来るよ」

作品名:天使 作家名:瑠璃 深月