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初音ミクは悲劇のヒロインになる

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はじめに



初音ミク、と聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか。
緑の髪の少女、アニメ声に少し機械らしさが残った曲、ニコニコ動画に投稿された個人製作のPV、踊る3Dキャラクター。
初音ミクの存在は日本だけでなく世界的に注目されており、彼女はもはや世界を代表するキャラクターとなった。

初音ミクという存在がここまで世界的に、しかも急速に知れ渡った理由にネットがあることはもちろんのことだが、彼女を題材にしたメディアミックス展開が企業や製作元のYAMAHAが手懸けたわけではなく、多くは個人や同じ趣味を持った団体といったような、極めて小規模な展開で広まっていったのも、この時代ならではと言える。

ボーカルとしてのミク、アイドルとしてのミク、キャラクターとしてのミクを、誰でも簡単に作り出し、全世界に発表できること。それはもはや、平和や人類平等を必死に訴えるよりも、世界を統一させることが容易に出来るかもしれない。


しかし、そんな初音ミクが、近い将来「悲劇のヒロイン」として取り上げられたら、あなたはどう思うだろうか。
そしてその悲劇というのが、アイドルやキャラクターとしてではなく「音楽」としての意味での悲劇の象徴になるであろうことを、あなたは想像できるだろうか。

これから述べるのは、初音ミクを元にした、将来の音楽についての予測である。