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きゃりーのぼうけん

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プロローグ


そのモンスターはモンスター界ではごくごくありふてたド○クエで言えば巣ライム的な立ち位置だったりする
だが彼ら種族は性別があり交尾をして子孫を繁栄させる哺乳類系モンスター
名前はきゃりー○ミュ○ミュという種族だ
17歳を迎える頃にようやく性別が判明する奇妙な特徴がある
愛くるしいマスコットでファ○通表紙を飾った事もある
そんなモンスターがとある自称魔王であるエ○タークの持つ人化の秘法の力により人間の姿になってしまった
人化の秘法とはモンスターが人間になるためのアイテム
この世界ではこの秘法を巡り勇者VS魔王の壮絶なバトルがあった

エ○タークは勇者的な人間パーティ複数名に殺害されたと当時の関係者は語る
勇者後藤は最重要人物
レベルは100を超えランクは英雄クラス
仲間にも恵まれ猟奇的で殺戮的
モンスターの恐怖の対象だ

人化の秘法は後藤との戦いの果てに世界のどっかに吹っ飛ばされ川へ落ち流れドンブラコドンブラコという感じで一匹のモンスターへ渡った

人化の秘法を川辺で拾ったのは一匹のきゃりー○ミュ○ミュ
きゃりーはその秘法をなんか知んないけど使用できた
多分ボタンかなんかを押したのかもしれない
儀式的な事をしなくても人間になれたときゃりーは後に語る
『多分ボタンかなんかを押したのかもしれない』
『多分ね多分』
そしてめでたく人間になった

人間になったからには人間らしく生きていかなくてはならない
草原で食べられる草を食べている場合ではない
きゃりー16才
親の顔も知らない孤高のモンスターは名前すらない
性別も不明のまま人間界へと足を運ぶ事にした

人間界はモニタの外側をぬけた所にある
プレイヤーに散々痛めつけられてきたモンスター達の間ではかなり有名な話
奴のまるでゴミを見るような視線を日々感じているからモニタの位置は大体把握しているのだと
あのクソッタレな勇者後藤を密着取材で追い回すカメラマン
そいつとレンズ越しにとある呪文を唱えればいいというモンスター界の都市伝説

『ゲームばっかしてて両親が泣いてるぞ
いいからこっから出せ』

それは一人のプレイヤーに送る不思議な呪文だ
ゲーム界と人間界を結びつける奇跡の呪文だと大魔導師タオは語る

だれやねん

という事でゲーム中である彼の目の前に突如降臨できたきゃりー
引きこもりの彼をうまく使えば人間界を楽しく謳歌できそうだ
とりあえず不登校な彼の替わりに学校とやらに行こうジャマイカ

性別不明のモンスター
人間となりとりあえずはガクランにて学校へ登校することにした
何故普通に登校できたかって?
それは私がモニタの前の君と瓜二つだからさ…  

作品名:きゃりーのぼうけん 作家名:水原あぽ