詩集 風の刻印
神性の崩壊
神を侮りしものよ
聖なる人の母なる人
それは、卵を守る翼だ
決して自らその脆い殻を破ることのない
冷徹な無性卵を温める
愛に満ちた母鳥の翼だ
神の創造物である小さな民よ
天空に満ちたその祈りは
絶望とともに砕け散り
高き聖堂に築かれた十字の砦は
欲望に満ちた主の支配を受けた
神の名に救われたか
その栄光に、その虚空の大義に
何を救われたか
失われた神性は
埃にまみれた戦旗に力なく垂れ下がり
作られた神性は
その欲望に操られ
信望を貪り食う
名誉や栄光は神を殺した
神の名のもとに神を殺した
聖なるイェルサレムの地で
その屍を弄び
かれらは笑う
狂乱の渦中に
翼は無残にも毟り取られ
大義は
鈍く輝く栄光の剣でその卵を割った