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瑠璃 深月
瑠璃 深月
novelistID. 41971
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詩集 風の刻印

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歪んだ感情

君のその声はいつも空の彼方に響き渡った
僕の髪を、僕の足の爪を
全てを揺らした

君は小鳥を飼っている
小さな鳥かごで君の小鳥は美しく囀る
君の歌声によく似た声音だ

君のことで知らないことは何一つない
君の使っているシャンプーに、化粧品
君がいつシャワーを浴びるのか
その艶やかな体のどこから洗うのか

それが君への愛の証
君はそれを知って
僕に全てを明かし、渡した
その声の全てを僕のために捧げてくれた

だから、僕は耐えられない
君は苦痛にその顔を歪めながらも
その囀りを無理にでも周りに振りまく

僕のために囀ればいい
僕に捧げた声ならば
僕だけに聞こえていればそれでいい
それが君の幸せなのだから

君の幸せを叶えるためならば
僕は君を包み込む鳥かごになろう
君の声が僕以外の場所に漏れ出さないように

だから、僕以外を見ないで
決して裏切らないで
君のことが大切だから
君を失いたくないから
僕だけの呼び方で君を呼びたい
僕だけの君であってほしい
ほかの誰一人であっても心を許さないで
僕を否定しないで

ああ、そうだ
君が逃げないように、鳥かごはきちんと閉めておかないと


作品名:詩集 風の刻印 作家名:瑠璃 深月