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瑠璃 深月
瑠璃 深月
novelistID. 41971
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詩集 風の刻印

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身勝手返し

一歩踏み込むと、どこかが飛ぶ
体のどこかが飛んでいく
もうくっつかない
なくすしかない
ねえ、僕の家の庭をこんなにしたのは誰?

早すぎた
まだ神様は許してないんでしょう
なのに何故ここにいるの?
許されてないんでしょう
なのに何故ここにいるの?

ここに来るために
いくつもの試練を潜り抜けてきた
でもまだこの土地に見合うほど僕らは成長していないから
だから神様はここを立ち入り禁止の地雷原にして
わざと僕たちを嫌いな人たちを住まわせたんでしょう

苦しみは続くのかな
試練の終わりを待たないのに
神様の考えを無視して身勝手な大人が身勝手なことをするから
僕たちが罰を受けるのかな
隣に住んでいる女の子は口が利けないし
向かいに住んでいる小さな子は左足がない

安らげる日はいつ来るのかな
安心して眠れる日

でも、身勝手な僕はまだ休めない

きっと
全てがなくなって
僕らを傷つける罵倒とか、悲しみとか、
死んだ人の白い顔がなくなった日に
僕たちは安らげるのだろう

でも、もう疲れたから
お願い

身勝手な大人より先に
眠らせて

それが僕の今の願い

作品名:詩集 風の刻印 作家名:瑠璃 深月