詩集 風の刻印
魂の刻印
すべてを抱えた腕が、壊れた
罵られ、傷つき
希望という名の錆びた欲望を乗せ
軋みをあげる荷車を牽いて
疲弊した身体は崩れた
開放を求めて絶望に縋りつき
道端に打ち捨てられた荷車を
またはその荷物を背負うものを探して彷徨う
パリの巨大な凱旋門の下に響く声は
セントヘレナへの呟きに変わった
革命は神の啓示を知ったのか
歴史がそれを望んだのか
目の前の現実にその姿を映したか
古びた布が埃となって
床に崩れ落ちるかのように
現実は虚構となって崩れ落ちる
思想の中に生きることを選んだ
その澄み切った魂は
後継者の両腕にその羨望と使命を刻み込む
しかし、民と神の刻み込んだその魂の刻印は
更なる重責をかの者に求めた
それは、
戦火と理想に蝕まれゆく
この萎えた身体を嘲笑う死の刻印だ
大志に埋れた者がいた
ああ、これからは幾人もの同士が
理想のための涙の中に敗北たるものを見るだろう
失望の中で得た新たな力
この身体に巣食うその刻印は
命を喰らいて生き延びる蟲だ
希望を餌に重責を吐き出す寄生虫だ
神よ!
願わくは青き十字の上に立ち
とうに病みてズタズタに引き裂かれた祖国を
その慈悲によって救いたまえ!