青いバラは遅く咲く
2.日常
pipipipipipipi・・・・・・
窓の外の鳥の声で少女が目を覚ます。
少女の名前はイーヴリン。
大陸ローランの外れにある住民街マーニャのはずれの小屋にノーチェというライオンとともにひっそりと暮らしている。
イーヴリンがベッドから降りて扉の方を見ると、ノーチェが幸せそうな顔をして寝ていた。
「ノーチェ。朝だよ。」
いつもならイーヴリンが寝坊をしてお手伝いに遅れそうになるところをノーチェに起こされて止めてもらう、ということが一日の始まりのようなものなのに、今日は早く目が覚めてしまった。
しかし、この幸せそうな顔どうしてやろうかとイーヴリンがいたずらを考えると、それが分かったのかノーチェはぱちっと目を開けた。
「今、よからぬことを考えてはいなかったか?」
「えっ?。。そんなことないよー!あははは!」
じとっとした疑いのまなざしをかわしながらイーヴリンは今日の準備をする。
今日は午前中にリラさんのパン屋さんでお手伝いしてから、午後はお休みをもらっていたはずだ。だから久しぶりに街の外に出てみようと考えていた。
「今日は行きたいところがあるのだが。」
朝食中にノーチェが珍しいことを言ってきた。
普段私にお願いなんてせずにやりたいことは即実行!見たいな性格の持ち主なのに今日はどうしたのだろう。
「お願いなんて珍しいね?どこ行きたいの?」
「いや。一応街の外だから先に行っておかなくては行けないと思ってな。」
「ちょうどいいね。私も今日外に行きたいと思っていて。」
話を聞くとどうやらノーチェが行きたいと考えていたのはいつも外に出るときに行っている森野中にある湖のことのようであった。
なぜノーチェがそこに行きたがっていたかそのときにはわからないイーヴリンであったが、午後にはそこに行くことをイーヴリンとノーチェは約束した。