ほぼ週刊 ほぼレトロゲーム通信
第50回 ラサール石井のチャイルズクエスト FC RPG
遊びをクリエイトするナムコが英知の全てを結集させて作ったと言っても過言ではない1本。私がFCソフトの中でDQ3と並ぶ程に愛するソフト、それがこの「チャイクエ」です。記念すべき第50回作品には、やはり愛してやまないこの「チャイクエ」を押したいのであります。
「ラサール石井の」とついてはいるが、別にラサール石井はこのソフトの開発に携わったわけではなく、当時ラサール石井がチャイルズをプロデュースしていたから、その名を冠しているだけだったりする。
さっきから当たり前のようにチャイルズチャイルズ書いているが、今の若い人にはチャイルズ自体「?」ですわなぁ。
と、いうわけで。
説明しよう!チャイルズとは
1988年に「恋は魚河岸のごとく」という名曲で颯爽とデビューした女性3人組のアイドルユニット。メンバーは「きりこ・りん・ゆうこ」。このきりこは今の磯野貴理さんである。
ちなみに5代目いいとも青年隊。
出したシングルは3枚。アルバムは1枚。そしてりんとゆうこが今何をやっているのか、あいも変わらず私は知らないw
以上がチャイルズのざっくりとした説明で御座います。
お分かり頂けたでしょうか? ズバっとズギュンとくるアイドルだという事が。
ゲームの内容はというと、主人公はチャイルズのマネージャー。全国を行脚しながら営業をこなし、彼女たちを一流のアイドルに仕上げ、最終的にはスターの殿堂『ときおホール』でコンサートを開かせるというもの。いわばアイマスRPG。
特徴的なのは戦闘=営業という事。
街を歩けば色んな物や者が絡んでくるんですが、彼らに対して暴力なんてダメ! 絶対! だってあれよ、暴力なんてふるったら「チャイルズのマネージャーに殴られた」とかツイートされて即炎上は目に見えてますからね。
だから主人公のとる行動は、ひたすらに「よいしょ」。
とにかく上げて上げて上げまくる。
道端のゲロの「あくいにみちたことば」にも、路傍のコウンの「せかいさいていのことば」にも耐えて耐えて耐え抜いて。丹田に力を込めたマネージャーの返しは、心を込めて土下座しながら「いぬとよんでください!」と絶叫する事。
もうね、マネージャーの鑑。そして崇高なるドM。
そうしてさんざん罵詈雑言を浴びせてスッキリした敵は、チャイルズのファンになってくれてさらにお金まで置いていってくれる。
これを続けてレベルアップしていくわけ。
もうね疲れるよね。ひたすらマネージャーは疲れるよ。いくつもの罵倒・罵声によってマネージャーのHP(ハートポイント)はゾリゾリ減少。
そんな彼のハートなポイントを回復させる魔法の言葉は「かんちょ」。ブスッと一発。かんちょで元気。もっともっと疲れたら「どでかんちょ」。ガスっと一発どでかんちょで超元気。
素晴らしいM。至極の社畜。
しかしマネージャーの仕事はこれだけではない。ただよいしょしてるだけでは1日は終わらない。だって職業・マネージャーだもの。当然チャイルズのケアもしなければならないわけ。アイマスよりもえーけーびーよりも、ある意味アイドル、それがチャイルズ。
敵の中にはチャイルズの乳や尻や太ももをさわってくる非常にけしからん輩がいるんですよ。
そしてそういう行為をされるたびにチャイルズの「不満度」が溜まっていく。
そうして不満度が100%になると、怒り爆発! 事務所に帰っちゃうんですね。たとえそれが探索中のダンジョンど真ん中でも、あと一歩で新しい街に着くといった場合でも全くお構いなく。アイドルの不満に待ったなし。
無数の部屋がある事務所に戻り、ひとつひとつの部屋を虱潰しに探さなくてはならないわけ。しち面倒くさい。
ではこの不満を解決し、面倒な作業を未然に防ぐにはどうしたら良いか?
「女には美味い飯と良いホテル」
これである。
レストランに入り、彼女達の満足のいくものを注文してやるわけですよ。すると不満度は一気に解消される。人気のない頃はパンの耳でも「おいしいね うん おいしいね とーってもしあわせ」と喜んでくれていたのが(不憫すぎw)、人気が出ると「ふざけんな!」と怒り狂うので、人気に見合ったものを食べさせねばならない。女は面倒である。
さらに「おさわり」以外にも彼女達の不満はたまる。
それが「にょうい」。
歩いているといきなり「きりこはにょういをもよおした!」とか言われる。
放っておくと一歩歩くごとに不満度が溜まっていくという恐ろしいシステム。
解消するには高度なマ法(マネージャーの使えるマジカルな方法)「しいここ」を唱えるかデパートでトイレを借りるか、もしくはアイテム「かみおむつ」を使うかの3択。
「しいここ」を覚えるのはかなり後なので、初期は必然的にデパートか紙オムツ使用となります。しかし道端でいきなり尿意を訴えられても、デパートより遥か遠くにいる事が殆どなわけですよ。
当然のようにマネージャーが取り出すのは「紙オムツ」。
道端でアイドルに紙オムツ使用。そして
表示される「マネージャーはきりこに紙オムツをあてがった!」の文字。
どんだけSなんだよ。素人企画ものかよ。仮にもアイドルよ? それを捕まえて道端で紙オムツ使用って。
やっぱアレだよな。SMクラブにおけるSだけやってる女王様より、M上がりの女王様の方がその責め苦がキツイというセオリーだよね。
一般人にはドМで接し、アイドル達には強く出る。
想像するとすげーよな。それだけでご飯3杯はいけるわ。
とにかくとにかくこのゲームはマジで面白い。
全国で展開するコンサートのシステムも相当ハマるし。
イベントもオカマちゃんが排水溝に吸い込まれた「金色に輝く玉」を探してくれって言うものだったり、キーアイテムが「過去の過ち」だったり、理不尽な音感テストがあったりとセンスが炸裂してる。
本気で面白いから。全力でおススメしたい。
マップの色彩がドギツすぎて、目には優しくないけども、面白さは超ド級。
そんな1本です。
今週買ったゲーム
無購入。
なんかゲームほっしーけど、もうすぐ色々発売するからなぁと思うと、今買ってもなぁって感じで。結局ディズニーマジックキャッスルとソリティ馬ばかりしています。
作品名:ほぼ週刊 ほぼレトロゲーム通信 作家名:有馬音文