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神崎 かつみ
神崎 かつみ
novelistID. 41954
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パラドックス

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年齢騒ぎの件より しばらくの時間が過ぎ彼が夕食の話を切り出した
時計は既に九時半を過ぎたところ 茜が「何か作りましょうか?」と
彼にとって魅力的な提案をしたが 残念ながらこの家に使えそうな食材は無かった。
なし崩しに店屋物を注文する事となり 妥協点としてピザを注文していた。
幸せそうに黙々とピザを齧る茜を見て 彼は少し気まずそうに言った。
「あの・・・なんか味気ないピザでスンマセン・・・」
「んぐぅ・・・いえ! とっても美味しいですよ!」
「やっぱり こっちの食事はで出来合いでも十分美味しいです~」
「? こっち? 霧島さんは どちらから来たのです?」
「むぐぅ・・・ほうおふぐぁ・・・」
「あ いや口の中が無くなってからでお願いします・・・・」
「んぐ・・・はぁ~失礼しました~ えっと 曾祖父が東ヨーロッパに居まして」
「暫くはそちらに住んでいましたので この国は久々なんですよ~」
「と言う事は 霧島さんはクオーターとかですか?」
「はい そうなりますね~ 私は生まれはこの国ですけど。」
「あっ それと私の事は「茜」って呼んで下さいね」
等と 少し遅めの夕食中の雑談に花を咲かせていた。
暫くして食事も済 居間で寛いでいるところに騒がしい音が聞こえてきた。
「たっだいま~」彼の姉「徇」が帰宅した。
居間を横断し 冷蔵庫へ直行 缶ビールを片手に再び居間に訪れた。
「やっほー 徇おひさ♪」
徇の口が噴水のようにアルコールを吹き出しむせ返った。
「かはっ・・・げほげほ・・・へ? はぁあ? あ・・・茜だよね?」
「はい どこをどう見ても霧島茜ですよ♪」
「ちょ・・なんで茜がココに? 今日は母さんの知り合いの人が来るって聞いてたのに」
どうやら姉の徇と彼女茜は面識があるらしく 彼は蚊帳の外で唖然と見守っていた。
「あ~・・・えっと・・・それは・・・母! そう私の母が来れなくなったので 代わりに私が」
「急遽お邪魔する事になって・・・ね まっ・・・まぁそういう事なのでヨロシクお願いします。」
どうにも辻褄の合わない茜の言葉に 彼は疑問を感じるが 茜の言うように
「母の代わりで来た」と言うなら 見た目に関しての問題はクリアされる。
ただ やはり「母の親友」と認めた事や母を「先輩」と呼んでいた事に違和感は消えなかった。
「言うかアンタ・・・全然変わってないわね~なに? 何か秘訣とかあるわけ?」
そんな事を言いながら 姉は姉で再会を喜び茜を撫で回していた。
姉の話では 姉が高校時代に少しの間この街に居たらしく 一年ほど同じ学校だったらしい。
彼は 茜が母を「先輩」と呼ぶのは母が姉と同じ高校の卒業生であるからだろうと解釈していた。
この時彼は 「昔母の自宅に居候していた」と言った茜の言葉を すっかりと失念していた・・・・。

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作品名:パラドックス 作家名:神崎 かつみ