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プラムズ・フィールド 〜黒衣の癒師〜 【第二章(中)】

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 私はびくっとしましたが、彼はこの黒衣が何を意味するか知らないようで、ほっとしました。
 老警官はお婆さんに言われるがまま、村の紹介をしてくれました。
 マーシュ村は人口わずか五百人。交通は週に一、二便の船だけ。西の海岸の他は三方を山に囲まれていて、冒険家でもなければ、陸路からはどこにも行くことはできません。ラーチランド政府から特級僻地の認定を受け、助成金は出ているものの、村人の高齢化が進み、温泉街はさびれる一方でした。
「地図じゃあラーチランドじゃが、金の流れはほぼウォールズさな」
 老警官が言うと、お婆さんは金色の歯を見せて笑いました。
「んだな!」
 マーシュ村は自国の都クレインズよりも、隣国ウォールズの都オピアムのほうが行き来しやすく、ウォールズ経済圏の最果て、と言うほうがふさわしいかもしれません。
「じゃ、そゆことで、この子はうちに決まったから安心じゃ」
 お婆さんが言うと、老警官は「ん」と言って去っていきました。
 この宿に泊まるとは一言もいってないのに……。
「ああ、そうそう。うちは半月より長居すんなら半額にし……」
「よろしくお願いします」