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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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代償    (旧人間ドック)

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償い

祐二は自宅に戻ると山下不動産に電話した。山下とは飲み仲間である。相沢医院の所有者を調べ、売却する意思があるかを確かめ、有るのであれば金に関係なく商談を進めるように依頼した。
所有者はまだ不動産業者であった。仲間同士なので話は即決した。
購入額は3千2百万円で決まった。名義は柏瀬愛にしなくてはならない。
祐二が行くのでは話がまとまりそうにないので山下に任せた。
愛は拒否したが祐二の手紙で承諾した。

お久しぶりでした。偶然にも検診の時に同室になった大川様から先生の事情をお聞きしました。この話は自分が無理に訊いたことです。地域の方のためにどうでしょうか、医院を開業して頂けないでしょうか。将来お子様が跡を継ぐときにも、そのような形が良いのではないでしょうか。出来るなら復縁し、以前の様な評判の良い医院であればと思います。
これは私ども夫婦のお願いであります。
購入資金などは気になさらないで下さい。ジャンボ宝くじの1等が当選したときで結構です。
これから先もお会いすることはできませんが、承知して下さることをお願いいたします。

検診の時涙をこらえました。
忘れなくてはいけないのに、孝子を観るたびに思い出します。主人から孝子に愛情が移ってしまいました。相沢も溺愛してくれましたが、その反動が自分の子供でないことからなのでしょう、女性に向けられて行きました。
相沢は岩手の無医街に勤務医として働いています。
本田様のご厚意頂かせて頂きます。
相沢にもこの事を伝えます。
相沢がせめて名前だけは俺に任せてくれと言い、自分の孝之の1字を採ったようです。
ポッポ保育園の桜はとても綺麗です。