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ミリオンロール

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キーン コーン カーン コーン♪

「……あれ、どうして学校のチャイムが流れてるんだろ??」

さっきの若い女性がぽつりと呟いた。

キーン コーン カーン コーン♪

そうだ、確かにこれは学校で流れるチャイムだ。

チャイムは4回流れて、止まってしまった。

すると、すぐに会場の奥の扉からゲームマスターが現れた。

どうやら、右手に重そうな紙袋を持っているようだ。

そのままゲーム会場の奥にある壇上に上がる。

「チャイムが鳴って教壇に人が上がると、

 さながらココが大学のような錯覚を受けますね」

宮代さんは軽く笑いながら、僕に話しかけた。

「ええ、まるで今日も学校のようです」

僕の受け答えに宮代さんも軽くほほえむ。

ゲームマスターは紙袋の中を確認すると、おもむろに口を開いた。

「それでは、16人全員揃ったのでゲームの説明をしたいと思います」

その言葉に僕の心臓は高鳴った。

隣にいる宮代さんも緊張が伝わってくる。

「説明は一度しかしないので、よくお聞きくださいね」

会場全体から伝わる張り詰めた空気に、僕は唾を飲み込んだ。

「いよいよ始まるんだっ……」

さっきの若い女性も手を合わせて祈っている。

僕も軽く目を閉じて無事にアルバイトが成功することを考えた。

そう、ここから始まるんだ。

あの永久と思える、疑心暗鬼の時間が……。
作品名:ミリオンロール 作家名:まつ葉