Switchs
第一章 嵐のせいにして
僕は幼少の頃からずっともの言えぬ性分だった。おまけに寂しがりやだから始末に悪い。
ただ、積極的な女子が居れば「付き合い」みたいなことは何度かして来たけど、大事な一言が言えず、皆自然消滅を繰り返していた。
そんな僕でも十代最後となると、自然に任せてるだけでは大人になれないことを知っていた。
日本を出る準備の一環として英会話学校に通い始めた。そこで知り合った彼女も同い年で似たような境遇。
知り合った時に別れる時期も知っていながら、僕達は惹かれ合った。僕たちは学校に通う電車が同じで駅も近かった。
そんな夏のある日、僕は意を決して彼女を自宅に誘った。
家の近くに来た時空に雨雲が広がり、閃光と同時に強い雨が降り出した。傘を持たない僕らは瞬く間に濡れて、家に駆け込んだ頃にはびしょびしょになっていた。
濡れた衣服は脱ぐしかなくて、人目の無い自宅だから脱いだ後の選択は僕たち次第だった。
豪雨の音の中で僕たちがひとつになった時、大きな落雷が鳴り響き、赤い証がシーツを染めた。
全てを嵐のせいにして