Switchs
第三章 言霊
先送りにして来た数々の課題、様々な問題。
それらが一度に押し寄せ、僕は完全に包囲され、逃げ場を失った。
「畜生」と、「ふざけるな」と、目前の相手や自分の運命を罵倒した。
そんな状況を打開したくて、あらゆる方向に解決の糸口を探った。そして内面の問題に気づき始めていた。
ある日知人が主催する講演会で出会ったのは「ツキを呼ぶ魔法の言葉」
「言葉は一度発すると宇宙を一巡りして言霊となって自分に還って来る。悪い言葉は自分に還って来て悪循環を生んでいる。悪い言葉の代わりに良い言葉を使うだけで運命が好転する。」
この話を知った直後に自分の身に最悪と思われることが発覚した。
罵倒、罵り、悪い言葉が一杯浮かんで来た。・・・だけど、此処で使わずに何時使うのだろう・・・
怒りで煮えくり返る腹を感じながら良い言葉を使ってみた・・・・
最悪と思えた事柄が奇跡的な展開で終結した。
その後次々と訪れる危機に対しても同様に・・・
悪い言葉を使わなくなって5年は経っただろうか。
気がつけば特別なことをしてなくても、特別な何処かに居なくても
幸せを感じられるようになっている。