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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第九話

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「母上様、秀満どのが戻ってこられましてございまする」

光慶が階段を駆け上がってひろこのいる天守閣でそう伝えた。13歳になっていた光秀の長男は武術にも優れそしてこの時代では珍しく美少年であった。

「光慶、秀満様はお一人か?」

「母上、そうです」

すぐに後を追うようにして天守閣に秀満は顔を出した。

「秀満にございます。火急に申し上げる儀がございましてまかり越しました。殿より仰せつかりましたこと申し述べさせていただきます。
ひろこさまには光慶さまをお連れになり、この城よりご避難されるようにと申し仕りました。なにとぞ急ぎ出立のご用意をしていただきますようお願い申し上げます」

「なんと言われる!この城から逃げよとか?何故じゃ?」

「はい、殿は山崎にて秀吉軍と対峙されております。もう今頃は戦が始まっておりましょう。万が一に備えて身を隠すようにとの配慮でございます」

「秀吉殿と・・・細川殿や筒井殿はお味方に付かれているのか?」

「秀満が出立しました折までには様子見のご様子でした」