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この頃まどかは諦めていた自分の世界へ戻ることを不可能なことでは無いように捉え始めていた。
それは、自分の役目が夢に現れた武将の望みを叶える事であれば、その後にきっと元の世界へ連れ戻してくれるのではないかと思えるのだ。そしてそれは信長の暗殺ではないであろうかと感じている。

桶狭間での犠牲者であれば敵は信長だ。こうして光秀や信長と会わせられたのもそのことを示唆しているようにとれる。
今この時点で光秀は信長を討とうとは決して考えてはいない。

まどかに期待していることは、光秀をそそのかして信長暗殺へと進ませることなのであろうか。

「お前にしか出来ない」と言われた意味はなんだったのだろう。藤次郎との出会いもこの時を計算に入れての偶然を装ったのだろうか。

いろんな疑問がわく。
そしてまどかにとってもし元の世界へ戻れるとして、夫の藤次郎や娘の藤子はどうなってしまうのか不安になる。
考えられる確かなことは、夫と藤子とは決して離れられないという思いだけだった。