球体地獄
布団の中に――彼女が侵入してきた。彼女の肌が纏わりついてくる。暖かみ、滑る肌、呼気が、耳元にある。それは彼女の吐息、耳たぶが頬に触れる……僕は……僕は……
「僕が好きだったのはA子なんだ……其のことに気がついたよ」
ガバリ、と闇を剥ぐ。蛍光灯の光が、畳の大地を照らす。楽園を護らなければ……僕はケルビム……
「あklg:@p……くぐぅt……ちょ……ヤメテ……何をするの……」
セカイはきっと、主観でしか存在していない。
セカイは、地球の人口に等しい数、存在している。
ボクノラクエンには、透明な彼女しか必要ない……それ以外……存在してはいけないんだ。
「キミの肉体は、EVEにはなれない……消えてくれ」
「d;。……いや………そんな……どうして……」
さっきまで僕自身の男性器を握り締めていた握力が、彼女の細い首を……
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「僕が彼女を殺した経緯は……以上です……刑事さん」