電話にまつわるへんな話
着信……アリ? その2
わたしは携帯電話に疎く、メールもできない(今はやっとできるようになった)し、着メロを入れる事もできないので、いつも着メロを息子に入れてもらっていた。
ところが、息子はときどきいたずらして着メロを替えてしまったりする。朝礼中は基本マナーモードにしておくのだが、うっかり忘れてしまうと、誰かから電話が来たときとんでもない着メロだとみんなの失笑をかってしまう。
いつだったか「帰ってきたウルトラマン」が室内に響き渡ったときは、とても恥ずかしかった。
ある日、おもしろ半分に「世にも奇妙な物語」のメロディーを入れたことがあった。試しにかけてもらって聞いてみたあと、
「これ、夜中にかかってきたら不気味だね」
などと言いながら、そのままバッグに入れた。
夕方、5時半近くに携帯が鳴った。長男からである。話し終えて携帯をしまおうとしたとき、もう一つ着信があるのに気がついた。
相手はやはり長男。ほんの数分前である。デスクに携帯を置いていたから気がついたはず。
家に帰ってから、長男に言うと、その時間にかけたのは話したとき1回だけだという。
じゃあ、なんでそのわずか2分前に着信があったのだろう……。
ちょっと不気味に思った。
しかし、続いてわたしは笑ってしまった。
長男がわたしと話した時間は17時25分。よく見ると、その前の着信時間は7時23分。
そう。朝、着メロを入れてもらって確かめた時間だったのだ。
すみません。アホな話で。
作品名:電話にまつわるへんな話 作家名:せき あゆみ