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つゆかわはじめ
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novelistID. 29805
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蒼空の向こう

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「やっぱり・・・優しい」 

「悠長な人だ」

「クスッ・・・」

僕が受話器を置くと同時に、末永が口を開いた。

「先生・・・行って!・・・良く判らないけど・・・とにかく行って!」

「すみません・・・申し訳ない!」

「また、明日!」

「みんな、ゴメンなさい!」

 僕はバッグを掴むと、企画室を飛び出た。階段を急ぎ足で下りていく。倉庫の中央で、商品の仕分けをしていたパートタイマー達が、一斉に僕に注目した。
 先程、末永に紹介されたばかりの石岡さんは、僕の様子をどう見たのか、心配そうな面持ちだった。
 僕は、事務所から出て来た吉田係長とぶつかりそうになった。

「あっ!あっ!・・・吉田係長・・・済みません・・・緊急で帰ります」

「おっ、おっ・・・・あっ、はい!」

 駐車場にピックアップを停めている。鍵はつけたままにしていた。ドアを開けて、シートに滑り込むと、エンジンキーを回した。
 ギアを1速に叩き込み、クラッチを乱暴に繋いで発進した。タイヤが軋む。
僕は、博多駅へと向かった。

作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ