蒼空の向こう
発された言葉はそれきり・・・僕たちは唇を重ねていた。ブルーモルフォの細い両腕が、僕の首に絡んでいる。
僕は、ブルーモルフォの背中を撫でながら、赤く柔らかい唇を、貪るように冒した。
ブルーモルフォは、敏感に呼応し、唇がわずかに離れる度に、熱を帯びた甘い吐息を吐いた。
その吐息は僕の鼻腔から入り込み、脳を刺激する。ブルーモルフォの舌が、暗闇で手探りするかの様に絡んできた。
その間中、僕はブルーモルフォの背中を・・・そして、ブルーモルフォは僕の首筋を愛撫し続ける。互いの舌は、まるで、意志を持った軟体動物の様に、口の中で限りなく・・・悩ましく、暴れた。
僕達は互いの傷を舐めあう様に愛撫しあった。
何度も、何度も、交わされる口接。その度に漏れる、官能の溜息。
僕の右手は、いつしかブルーモルフォの左の乳房を愛撫していた。
ブルーモルフォは、抵抗するどころか、更に、悩ましく喘ぎ、顎を上げていく。
そして、朝靄の様な、白い吐息を吐き出した。
「ああぁ・・・先生・・・・」
互いに踏み込めない領域がある事を、互いが求め合うことで、伝えあったのかも知れない。
ブルーモルフォの瞳には、涙が溢れ、その揺らめきの中に、中洲のネオンが小さく点滅していた。その点滅の中、恭子の顔が浮かぶ。
ブルーモルフォの、瞳の中に、恭子がいた。愛おしさが込み上げ、涙が溢れる。見つめ合う。
涙の雫が玉となって、ブルーモルフォの、涙で溢れた瞳の中に落ちてく。
溶け合った涙が、その細やかな頬を伝って、流れ落ちていった。



