蒼空の向こう
第7章・青空の向こう
祖父が死んだ。
脳卒中だった。
春の穏やかな日だった。
自宅葬。
僕は大声で泣いた。狂ったように泣いた。慟哭というのだろうか・・・。
僕が余りにも泣くものだから、自分が泣けなかったと母が後で漏らした。
誰よりも尊敬していた祖父がもう居ない。
49日を終え、僕は墓石の前に立っていた。
悩んでいた。
自分の道が見えなくて悩んでいた。
主席で高校に入った僕は、勝手に国立・進学コースに振り分けられ、代議員に指名された。勉強するのは嫌いではなかったが、身が入らなかった。
陸上部からサッカー部に籍を替え、ボールを追いかけても熱中できなかった。ただ、日課の素振りだけは欠かしたことが無い。
自分の進むべき道を相談しようとした矢先の、祖父の他界だった。
周囲の誰もが、僕は大学に進学するものと思っている。
悩んでも、悩んでも振り出しに戻るだけだった。
三年なんて悩んでいるうちに過ぎてしまいそうだった。
二年生の春。異常な腰の痛みを覚えた。酷くなるまで我慢していたが、とうとう歩くのもやっと、というところまで悪化した。
佐世保の市民病院で検査を受けた。