小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
つゆかわはじめ
つゆかわはじめ
novelistID. 29805
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

蒼空の向こう

INDEX|24ページ/147ページ|

次のページ前のページ
 

第7章・青空の向こう

 祖父が死んだ。
 脳卒中だった。
 春の穏やかな日だった。
 自宅葬。

 僕は大声で泣いた。狂ったように泣いた。慟哭というのだろうか・・・。
 僕が余りにも泣くものだから、自分が泣けなかったと母が後で漏らした。

 誰よりも尊敬していた祖父がもう居ない。
 49日を終え、僕は墓石の前に立っていた。
 悩んでいた。
 自分の道が見えなくて悩んでいた。


主席で高校に入った僕は、勝手に国立・進学コースに振り分けられ、代議員に指名された。勉強するのは嫌いではなかったが、身が入らなかった。

 陸上部からサッカー部に籍を替え、ボールを追いかけても熱中できなかった。ただ、日課の素振りだけは欠かしたことが無い。
 自分の進むべき道を相談しようとした矢先の、祖父の他界だった。

 周囲の誰もが、僕は大学に進学するものと思っている。
 悩んでも、悩んでも振り出しに戻るだけだった。
 三年なんて悩んでいるうちに過ぎてしまいそうだった。

 二年生の春。異常な腰の痛みを覚えた。酷くなるまで我慢していたが、とうとう歩くのもやっと、というところまで悪化した。

 佐世保の市民病院で検査を受けた。
 
作品名:蒼空の向こう 作家名:つゆかわはじめ