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無気力くんとポジティブくん。

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朝。
目を覚ますと彼に抱きしめられている状態であった。
ぼけーっと窓の外を見ると、久々の大雨。
私はそっと耳を傾けた。

雨音は、誰かの心音を聞いてるのと同じくらい落ち着く。

「もう大丈夫だ。」
そう思えたとき、彼を起こさないようにベットからゆっくり抜け出した。

台所に向かい、紅茶を入れる。

食卓でゆっくり紅茶を飲んでいると、対面の席に人が座った。

「よ。」

そこにいたのは短髪で、笑顔が素敵な青年であった。
彼は「ポジティブ」。もちろん私の心の中だけの名前だ。
由来は、私が元のポジティブな自分も戻ろうとするときにやってくるから。
彼の本当の名前は知らない。

「……。」
私は思わず、目をそむけた。

「そ。まだか。」

「……ごめん。」
そう呟くと

「大丈夫、もう少しだ。」
笑顔で返され、なんだか気まずく感じた。
思わず、無気力の所へ向かった。
ベットの端に座り、ぼそっと独り言が出る。

「……どうしよう。」

「大丈夫。」

寝ていると思っていた彼は起きていたようだ。

「……本当は僕の所にいちゃいけないんだよ?」

「けど」
私が何か言いかけた瞬間
「わかってる」
その言葉と共に彼は私を抱きしめた。

「もうすこしだけ。でしょ?」

「……ありがとう。」

私は再び眠りについた。