無気力くんとポジティブくん。
携帯の着信音が鳴った。
あれから何時間たったのだろう。
寝ぼけていると彼はそっと携帯電話を渡してくれた。
「ありがとう」
そう私が伝えると彼は頷き、少し離れ手をつないだ。
携帯電話の着信はとあるSNSの新着を知らせるものだった。
そのままそのSNSの画面を眺める。
私が寝る前の呟いたタイムラインはいつも通りの静けさであった。
しかし、その中で親友が自分と似たような状態かもしれないことが分かった。
思わず親友宛にメッセージを送る
<@XXXXX 通話しない?>
それを送信できたのを確認したあと、
ふと彼を見ると少し微笑んでいるように見えた。
「通話してもいい?」
「もちろん。」
そのままパソコンの前に移動をすると、彼は私に覆いかぶさるように抱きついてきた。しかし、体重はのせていないようだ。
作品名:無気力くんとポジティブくん。 作家名:蓮観