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盟友シックスⅡ! ―BEYOND THE WORLD―前編

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第4章 断崖に咲くSilver



「うーっ… なんか息苦しい…」
「仕方ないだろ ここは空気が薄いんだ」
俺たちはアラパス山脈の中ほど、高度3800メートルのところにある村シルキットに来ていた
「それにしても荒れてるな…」
俺がこの村に来て最初に思ったことだった
「何かあったのか?」
俺と林でそんな会話をしながら歩いていたその時だった
「誰だっ!」
突然感じた敵意に俺が剣を、林が拳を構える
「なぁんだ旅人さんか… 脅かさねぇでくれっぺよ」
現れたのはやせ気味などう考えても戦士というより農民といった感じの男だった
「この村の者か?兵士や傭兵には見えないが…」
「へへっオラはヨサクってんだ この村の自警団やってっぺよ」
「自警団? 何かあったのか?」
「あんれぇ、しらねぇでここに来なすったのかい?そいつはいけねぇ、さっさとけぇったほうが身のためだと思うっぺよ?」
「俺たちは大丈夫だが…何があったか聞かせてくれるか?」
「わかったっぺ あれはちょうど一ヶ月くれぇ前の話だったっぺか…
オラたちの村は辺鄙なとこではあっけども平和なとこだったっぺよ
だども、いきなり魔物たちさ襲ってきてオラたちのむら荒らしていったんだっぺ
村のみんなも何人か犠牲になったっぺな…
それからずっと魔物が襲ってくるようになったんだっぺよ」
「そうか… 大変だったんだな」
「オラはきっと銀猫さまがいなくなったせいだと思うっぺ」
「いなくなった?」
「んだ、魔物が襲ってくる前は社に魚とか猫じゃらしとかお供えしといたらいつの間にかなくなってたっぺ だども襲ってくるようになる少し前からいくらお供えしても持っていって貰えなくなったんだっぺよ…」
(六柱獣でも猫は猫なのかっ!)
心の中でツッコミを入れつつ話を聞くことにした
「で、銀猫ってのはどこに住んでるんだ?」
「銀猫様ならここよりもっと上、あの山の真ん中あたりの洞窟にすんでっぺよ」
「ありがとう ちょっと行ってみるよ」
「いんや、今から行ったら半分も行かんうちに日が暮れるっぺよ 今日はここに泊まって明日出発するのがいいっぺ」
「わかった ありがとう」
俺達がそう言って立ち上がろうとした時だった
「うわっ!」
森崎が転んで首飾りが地面に転がる
ヨサクはそれを拾い上げ顔色を変えた
「こ、これ…勇者様の証じゃねぇっぺか?」
「そ、それは…その…」
森崎がバレバレの動揺した声で言う
「た、大変だっ!村のみんなに知らせねぇとっ!」
そう言ってヨサクは走っていった
「あの、その、えっと…」
「何も言うな、何も聞くな、わかったな?」
「は、はいぃ…」
林にすごまれ何もいえなくなった森崎と共に俺たちは村を目指した…

村についた俺たちを待ち受けていたのは(多分)村人総出の出迎えと急造の「歓迎 勇者御一行様」という横断幕だった
「何だ何だ…?祭りみたいになってるじゃないか…」
「こ、これはこれは勇者様!お待ちしておりました!」
村長らしき男性が声をかけてきた
「あなたは?」
「申し遅れました、私はこの村の村長です」
俺と村長が会話している後ろでは着々と宴の用意が進んでいた