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盟友シックスⅡ! ―BEYOND THE WORLD―前編

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素早く右足で相手を蹴り倒したものの剣先が俺の右肩を切り裂いていく…
「うあぁぁぁっ!」
俺は激痛で剣を手放してしまいその隙に俺と鍔迫り合いをしていた敵が俺を倒しに来る
(今度こそ…やられるっ!)
俺はそう感じたがそうはならなかった
「ふんっ!」
林が素早く横から敵を殴り飛ばしたのだ
「うっ… ゴメン…」
「いいから早く下がれ その怪我では足手まといだ」
「でも…」
「いいから行けっ!」
このままここに残っても足手まといになると自分でもわかっていたので俺は剣を拾い牧場たちの所まで下がった
「やるか…」
林はボクシングのような構えを取った
「流派、破魂流は…王者の証っ! 今こそ見せよう我が奥義!」
そのまま右手を腰の横まで引き、叫んだ
「地斬、天・裂・拳!」
次の瞬間突き出された林の拳から巨大な黄金の槍のような物があらわれ部屋にいたすべての敵を消滅させた上に正面の壁を大きくえぐり部屋の形を変えてしまったのだ
「何と他愛のない、所詮貴様らも我を楽しませられぬか…」
どう考えても年齢と実力と発言の一致しない林に長谷崎の幻影を見た俺だったがそんな幻影を見ている暇はなかった
「えっ…床から敵が?」
「ふむ、これではっきりしたな この部屋自体が魔物の発生源だったのだ」
そう、俺たちは絶対に逃れられない罠にかかっていたのだ
「くっ… 逃げられないじゃないかっ…」
その時、俺はここに来たときの数倍のプレッシャーを感じた
「何だっ!?この…プレッシャーはっ!」
次の瞬間、床に魔方陣が現れ俺たちはそれから発生した黄緑色の光に包まれてしまった
「くっ!」
俺は身構えたがその必要はなかった
「傷が、癒えていく… なんだろう?この暖かい感じは…」
光が消えたとき魔物の増殖は止まっていた
数はすでに林が消し飛ばす前の3分の2程度まで増えていたがそのすべてが何かに怯えるような顔をしていた
俺たちと魔物の間にいたのは一角の馬だった
新緑のような、鮮やかでそれでいて深い緑色の…
「麒麟?」
最初に口を開いたのは森先だった
「何人に使役されている小鬼共かは知らぬが…我が領に土足で踏み込んだ罪、万死に値する」
麒麟は低く冷たい声でそう言い放つと足元に魔方陣を展開させ鋭く尖った多数の木の根のような物を周りから生やした
「消えろ」
麒麟がそう言ってから魔物が全滅するまで一分とかからなかった
多数の木の根が魔物を貫き消滅させていく
「あ、圧倒的じゃないか…」
驚きを隠せないままじっと麒麟を見つめていると麒麟はこっちを向いた
「森先 弘樹…貴様の覚悟、見せてもらった」
「え、何で僕の名前…」
「私がその程度のことも知らんと思っていたのか?」
麒麟が馬鹿にするように首を振る
「改めて聞く 貴様に世界を救う覚悟はあるか?」
「うん…いや、はいっ! やりますっ!」
「いい返事だ ならば」
そう言うと森先の首下に緑の宝石が埋め込まれた首飾りが現れた
「今、我以外の六柱獣は魔王の手下によって封印されている その全てを救い出し宝玉を集めることが出来れば魔王の下への道が開けるだろう」
麒麟は俺を真っ直ぐに見つめて言った
「宮寺 京平、この世界に現れし勇者よ この世界の明暗…貴様の双肩に託した」
そのまま麒麟は木の葉に包まれ消えた
「俺が、世界の明暗を…」
俺は改めて重責を感じつつ言った
「よし 次の六柱獣、銀猫のところへ行くぞっ!」
俺たちは下山し、ふもとの町で一泊した後新たな目的地であるアラパス山脈へと歩き出したのだった…