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転がる多面体

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「おいっ、あのクレーム処理どうなってんだよ?」今日も容赦なく上司の突っ込みが入る。

(ど〜なってるって、何も進んでね〜よ)「はいっ、現在発送の追跡調査中で連絡を待ってます」

「冗談じゃね〜よ。配達はとっくに終わってるんだから調査も何もないだろ〜」

「あっ、はい・・・ただ今・・・」


「ねえ、次何時会えるの?」

彼女からのメール

「この前会ったばかりじゃん」

「この前って先月の初めよ。もう二ヶ月が過ぎようとしてる。」

「あっ、そうだっけ?時間が経つの早いなぁ。」

「どうでも良いけど、何時会えるの?」

「取り敢えず、明日」

「その取り敢えずって言うのどうにかならない?」

僕は彼女を何時も怒らす。


(素晴らしい天気だ。でも真夏の炎天下。意識が飛びそう・・・・)

と言いつつ、一瞬でセンターラインオーバー。(対向車が居なくて良かった・・・汗)


「おいっ、このパソコンどうなってんだ?」上司の甲高い声で夢から覚める。

(どうなってんだ?って知らね〜よ。全てがお前の操作の因果なんだよ。)「あっ、スリープの設定が短いんですね」今日も優等生で答える。


「お客様、生憎そちらの商品は在庫が切れています。」店員は当たり前だと言わんばかりに答える。

「それじゃあ、次の入荷は何時になります?」

「それは問屋に聞いてみないと・・・」

(って、まず先に問い合わせろよ。だから田舎なんだよ。)「そうですが、じゃあいいです。」

(因に俺だったらどんな対応するのだろう?)


彼女は目の前で眼を瞑り、開いた口から声が漏れる。

僕は彼女の中に居て、今日も試行錯誤を繰り返している。

「何回逝った?」敢えて聞く。

「覚えてないけど、沢山。」

「じゃあそろそろ俺逝ってもいい?」

「うん、じゃあ後ろから・・・」

忘れていた解放の快感を味わう


「おいっ、明日は週末だから、あれをやっとけよ」

(なんでも命令口調に出来る年代ってある意味素晴らしい)

「はい」


読みかけの哲学書に「未知を体験することこそが快楽の極み、エクスタシーである。」と書いてあった。

(確かにそうかも・・・やはり体験することが人生なんだな。)妙に納得。無駄な努力も在りってことで。笑


あの上司に叱られるのも、年中不在の父親に余り怒られなかったから、味わってみたかったのかも。


緩い僕の一月を要約するとこんな感じなのかも。



作品名:転がる多面体 作家名:淡水