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アジュンマ~、今日の晩ご飯なに?から始まるつまんない小説

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何かあったのは明らかだ。

俺は起こそうかどうしようか相当迷ったが、どうしても気になってドンヘを起こした。
「ドンヘ、ただいま。起きて」

ドンヘはすぐに目を覚ました。

目は真っ赤で、頬には乾いた涙の跡が残っていた。
「どうした?何があったんだ?」

俺はドンヘの肩を掴み、しっかりとあいつを見た。
ドンヘは少し笑って言った。

「俺、諦めが悪くてさ。どうしても彼女の声が聞きたくなって電話しちゃったんだ」
涙が残っているのか、ドンヘは少し鼻声だった。
「それで?話せたのか?」

ドンヘは無言で首を横に振った。

「男が出た。そして『もうかけてくるな』って言われた・・・」
彼女には新しい恋人ができていた。
ドンヘはずっと忘れられなくて苦しんでいたというのに、彼女はすでに新しい道を歩んでいた。
「俺かっこわりぃー!何も言えずに電話切ったよ」
それで携帯を・・・

俺はベッドの足に落ちていたもう片方の携帯の欠片を拾い、ドンヘに渡した。
ドンヘはうんうんと自分に言い聞かせるようにうなずいた。












おい、今どこだ?

家にいるよ。明日のライブ、がんばって。


明日はハンギョンが出て行ってから初めての中国でのSSⅡ。
本当なら中国ペンはハンギョンの帰郷で一番盛り上がるはずだったのに・・・
あいつはMの活動中に、そのまま韓国に戻らなかった。
去年の12月。それ以来あいつの顔を見ていない。
ハンギョンの気持ちは少し前から聞いていた。
あいつの言うこともわかるし、そしてそれがとてつもなく大きな問題になることもわかっていた。
あいつと会えなくなるということも・・・
わかっていたつもりだった。

受け入れるつもりだった。

でも俺の期待を裏切って、俺の小さな器はあっけなく根を上げた。
俺は一番やってはいけないことをした。
俺達以上に不安になってるペンの前で、俺は自分の感情を出してしまった。
メンバーが必死になって我慢して、プロとして立派に舞台を務め上げてる時に。
俺の動画は、ライブ後すぐにネットに上がった。
俺は初めて自分の行動を恥じて後悔した。
動画には世界中のペンたちからメッセージが届いた。
大半が俺を心配する内容だったが、批判的な意見ももちろんあった。
しかし、一番連絡が欲しい人物からは何もなかった。
ライブ中もライブ後もメンバーは誰も何も俺に言わなかった。
宿舎に戻ってから俺は自分からあいつのところに行った。
あいつは鏡の前で相変わらず髪の毛を触っていた。
「今日はごめん」

「おお、どーしたどーした?」

「ごめん」

「だから何が?」

わかっているはずなのに、ジョンスは気づかないふりをした。
俺に敢えて言わせようとしているのか?
「だから・・・!」

少し俺が声を荒げると、いきなりくるっと振り向いてこう言った。
「ヒチョルは自分でわかってるでしょ?二度目はないよね?」
ジョンスは俺を怒るわけでもなく、かといって呆れるわけでもなく、ただ確認するように言った。
「わかってる・・・」

「だと思った。じゃあいいよ。」

「でも、今日俺は・・・!」

ジョンスは俺の言葉を聞かなかった。
「決していいこととは言えないけど、俺、ちょっとスッキリしたんだ。ヒチョルが代わりに泣いてくれてさ。みんな同じ気持ちだもん。他のメンバーも
お前のおかげで少し胸のつかえがとれたと思うよ。」
ジョンスの目は笑っていた。











ヒチョルの声が震えた。

わかっている。

お前が言いたいことはすべて。

だってみんな同じ思い。

お前が悪いんじゃない。

何かが複雑に絡まって、俺達じゃ処理できなくなっただけ。
自分にとって特別な人間が

突然自分の前から姿を消したら

誰だって戸惑うさ。

どうにかしたい。

どうにか助けてあげたい。

力のない自分をどれだけ責めたことだろう。
不安ばかりの毎日で

それでも俺達は前を見なくてはならなくて
頭と心がバラバラになってしまって
支えていたダムが崩れてしまった。
でも僕達はまだ若い

崩れてしまったダムは

また作り直せばいい

ひとりじゃないから

みんながいるから

























今日はなんの日?



そう俺の23回目の誕生日。

去年の今日は隣に君が笑ってたっけ。
不器用な君が一生懸命作った不恰好なケーキを見て笑ったら
本気で君を怒らせちゃって、機嫌を直すのにかなり時間がかかったな・・・
おかしくて笑ったんじゃないよ

あまりに嬉しくて照れ隠しで笑ったんだ
君が初めて俺のために作ってくれたものだったから
世間知らずで料理なんてこれっぽっちもできなくて
わがままで自分を女王様だと思ってて
俺も散々振り回されてきたけれど

でも、君がどれだけ愛情深い人か俺は知っている
人を心から愛することができる君を俺は尊敬していた
だってあんなに俺を愛してくれた人に今まで出会ったことがなかったから。


初めてきみに会ったときは

なんて態度がでかくて上から目線な奴なんだろうと
正直あまりいい印象はなかった

でもなぜか偶然にきみに会う機会がとても多くて
そのたびにきみの色んな顔を見ることができた
気が強くて、自分の意志は絶対曲げなくて、
年上にも関係なく言いたいことを言って
きみは自分が正しいと思うことは絶対にゆずらなかった
そのくせ、言ったあとで怖くて腰が抜けたり
言ったあとで、相手のことを真剣に気遣ったり
非難されて悲しくて泣いちゃったり・・・
きみには色んな表情があった

そしてその表情のどれもが、俺にはとても輝いて見えたんだ
君を守るなんておこがましいけど

どうかそばにいたい、ずっと君の表情を見ていたい
いつしかそう思うようになった



きみにはかなり苦労をさせられた。
押してもだめ、引いてもだめ、正直もう成す術がなくなったころ
突然きみは僕の元にやってきた。

嬉しくて死にそうだったよ。

それから毎日一度も退屈することはなかった。
きみといると些細なことでも楽しくて
今まで気づかなかったような出来事がとても大事なことになった
そして俺はきみから一生分の愛をもらった。
ケンカなんてしょっちゅうだったけど
不思議と一度も別れようと思ったことはなかった
それは、きみの愛が本物だという確信があったから。
きみの愛は僕に自信を持たせてくれた。
自分がこの世に必要とされてること
自分が誰かに必要とされてること

俺が今まで持てなかった大事なこと
俺はきみのおかげでここまでやってこれた
きみがいたから自信を持ってここまで頑張ってこれた
きみが愛してくれたから俺も自分を愛することができた


気まぐれな君は別れも突然だった。
自分の意志を曲げない君を説得するのは無理だと内心わかっていた。
一度決めたこと、一度口に出したことには責任を持つ。これが君のポリシーだ。
俺はあっけなく振られた。

毎日のように一緒にいたきみが消えて
俺はぬけがらのようになった

かっこ悪いけど、何度も何度も連絡をした。
でも君には一切会えなかった。



しばらくして、君が夢を叶えた瞬間を見た。