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つゆかわはじめ
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novelistID. 29805
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ドッグダム(DOGDOM)

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第四章 王国の終焉

 ヘヴゥン・ピークスからいつもと変わらぬ朝陽が昇った。同時にドッグダム城に激震が走った。賢王ミウが息を引き取った。


 教会の鐘が王国に鳴り響く。訃報を告げる一〇一匹のスポークス・ワンが国中を駆け巡った。勿論、死因は伏せられた。
 ドッグダムの民にとって、その悲報は余りにも突然で、信じがたいものだった。いつもは賑わうドッグダム広場も、イヌの子一匹いない。
 亡くなった賢王ミウをへヴゥンへ送り出す儀式が何時になるのかも知らされていない。それでも、王国の犬々は教会の鐘の音に導かれるように長い列を作った。

 教会はドッグダム広場の西の外れにある。リンガートップには骨形の白いクロスが掲げてある。聖堂の奥では「送儀」の準備が慌しく行われていた。本来なら大々的に行われるはずの「送儀」。だが、賢王ミウは生前から質素を好み、派手な演出などは好まなかった。ハナビ神父が泣き腫らした赤い目で指示を出している。

「花は全て白にしなさい。賢王ミウ様が愛していた白い薔薇にするのです。パイプオルガン奏者は未だ来ませんか?・・・ああ、神よ・・・余りにも早い崩御。どうか我々をお導きください・・・」
「神父様!・・・ハナビ神父様!」
「どうしました?パウロ」
「皆のものがすでに教会の前に来ております」
「そうですか・・・でも、とても入りきれるものではありません。せめてお水だけでも飲めるようにして差し上げなさい」
「はい。神父様」
「パウロ・・・」