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アグネシア戦記【一巻-二章】

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『まあ、ほんの少し…血の一滴だけおぬし等とは違うのは間違いない。が、頑張り過ぎているせいかそうは見えんのだ…』

フレグニールの意味深な言葉にラルフとグリフォードは首を傾げる。

「頑張り過ぎている?」

「どういうことだ?」

ラルフとグリフォードは訳が分からずに寝ているフリルに目を向けると、フレグニールはフリルの頬に手をあてた。

『こやつ、寝ておらぬ』

聞いたグリフォードとラルフは顔を見合わせ動揺を顕にした。

「な?」

「寝てない!?今までですか!?」

二人は慌てて聞き返しながら思い返すと、フレグニールが言ったとおりで、確かにフリルが眠ったところを間近に見るのは初めてだった。

『…まあ、まだ人肌が恋しい年頃。しかたがなかろ?』

フリルを起こさないように優しく膝から下ろして寄り添うように寝転がる。

『明日は早いのだろ?、はよ寝りんさい!』

二人が英雄の話題に触れる前に睡眠の魔法で無理やり熟睡させるとフレグニールはフリルを包むように寝転がる。

「英雄の子は、【龍の神子】か、辛い宿命を背負わせてしまう…でも、いまはまだその時ではないし、その時が来ない事を…切に願う」

そう、フリルの耳に囁いてから直ぐに眠りに就いた。