小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

二人の王女(4)

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 

「目指すものが同じということは、どちらかが手に入れられないということだ」
 マルグリットは、手に持っていた剣を直して云った。
「先に出発するしかない…しかし、気付かれるのも時間の問題だ」
「先に叩いてしまうか?」
「いや、それも危険だ。極力気付かれないよう、馬を降りて森に入ろう」
 その言葉に、アークとシェハは強く頷き、馬の方へと向かった。
「あすか、くれぐれも静かにな」
 あすかは大きく頷くと、マルグリットの後ろについた。


 馬を引き、一向は静かに森に向かって歩き始めた。森の一歩手前まで来たときに振り返ると、うっすらと反対側の崖に明かりが灯っているのが見えた。おそらく、サガエル国の人たちが火を焚いたのだろう。彼らがこちらに気付いている様子はない。それを横目に、森に歩を進めた。
作品名:二人の王女(4) 作家名:紅月一花