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KMJストーリィ―Attachment of sixty―

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じっと見つめるあたしの視線の先で、カイはうっすらと頬に笑みを刻んだ。
「それが、お前の問いに対する、俺の答え」
「ふぅん」
あたしはただ、曖昧に相槌を打った。
他に、何を言えた?
言葉を見つけられなくて、ただちょこっとだけ首を傾げたまま、自問自答する。
──でも、ジュリー。
その瞬間。ふと胸の中を、ほんのちょこっと子供っぽく甘く舌足らずな──本当なら自分と同じ筈の声が、よぎった。
──その瞬間に、迷わず一人を選べるのなら、いいね。
そうだね、と。鏡の中の自分と同じ姿をしたもう一人に向かって、そっと言葉を投げ返してみる。
何となく分かる気がする。
ちょっとだけ、カイが羨ましい気持ちがあるから。だから。
「それも、いいね」
あたしは、それだけ返した。
いつか、それ程に強い、深い、そして怖くて凶暴な気持ちが自分の中にも見つかるんだろうか、と。
そんなことを、考えながら。