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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第一話

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柳田まどか15歳は不思議な夢を見る。

戦国の武将が枕元に来て「助けて欲しい」と叫ぶ夢だった。

目を覚ましてはっきりと変な夢を見たと思っていたまどかだったが、次の日もそしてその次の日も同じ夢を見続けていた。

枕元に立っているその武将に恐る恐る話しかけてみる。

「何故わたしのところへ来るの?」

返事は

「お前に敵を討って欲しい」

そう言って今朝は消えてしまった。

翌朝夢の中に武将は子供を連れてやってきた。

「この子が不憫でならぬ・・・殺した奴に敵討ちをしなければ一生この子供の姿から抜け出せない。それほどに無念のそして悲しみを封印して霊界を彷徨っているのだ」

「そんな事出来ない。私は女なのよ」まどかはそう答えた。

「だから出来るのだ。訳は来てから話す。この子を救ってやってくれ」

「学校もあるし、家から勝手には出かけられないよ。あなたがどこの人かも解らないし」

「お前を危険な目に遭わせる事はしない。約束する。明日の深夜0時に仙人塚まで一人で来て欲しい」

「仙人塚?」

「小学校から下って行った場所にあるはずだ」

「そんな時間に家から出れるはずないじゃないの。まだ中学生なのよ」

「わたしがご両親と弟を起きないように熟睡させておくから気付かれない・・・約束だぞ」

「そんな一方的に言われても、困ります・・・怖いし、出来ません」

「お前にしか出来ないことだ・・・嫌だというなら、弟を人質にするしかないな。手荒なことはしたくないが、この子を救う唯一の方法なんだ。頼む」

まどかは武将の言葉をにわかには信じられなかったが、弟に災難がかかってはいけないと思い、恐る恐るそうすると約束した。