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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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Never see you

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何か食べようと夜の街を二人して歩いた。
どこからか聞こえるJAZZのリズムに乗り、久しぶりの再会は酔いの宴となり、いろんな近況を話し合った。夜のネオンの光が濡れた街に輝き、いつもよりキラキラしている。
また、こんな夜が来ることを約束し合って僕達はグラスを傾けた。


翌日、空港の西側に陽が落ち始める頃、僕は彼女を送ることにした。
彼女を迎えた送迎デッキで出発時間を待つことにした。人影は少なく椅子に座って二人して西日を見る。
「もう帰る時間が来ちゃったね・・・」淋しく小さな声で彼女が言った。
「楽しかったよ・・今度はクリスマスの頃、僕が行こうか君の街に」
「ほんと・・・」
「ああ。約束する」
言葉少なめの彼女は離発着する大きな飛行機を見ながら、寂しい顔をしていた。
彼女は僕の手を取ると、僕の手の甲に指文字を書いた。ゆっくり一文字ずつ。

「モ・ウ・ア・ワ・ナ・イ・・・」

僕はそれが疑問形で僕に聞いてるのか、それとも彼女の決意なのか聞かないことにした。
悲しさも楽しさも、切なさも幸せも一つに丸めてそれが人生。

そして、僕は彼女を見送った。
飛行機は夜の星となって行った。


                                    (完)

作品名:Never see you 作家名:海野ごはん