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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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あなたとロマンス

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スマートフォンの使い方






「ねえ 連休はどうするの?」

「ごめん仕事で一日しか休めない」

「その休みは、もちろん私の誕生日の為でしょう」

僕は携帯から聞こえる彼女の声に反応して、慌ててハンドルを切りそこなう所だった。

いつもこうなのだ、彼女の誕生日はGWの真っただ中にあり、遊び呆けて忘れるか、今度のように仕事に追われて忘れるかでまともに覚えていたことがない。

どの日が休みかは年毎で変わる。だから彼女の記念日も忘れてしまうのだ。

「今年はいつだっけ?」

「今年も来年も誕生日はいつだって一緒よ。忘れてるの」

「たしか休みの日だったはず…」

「休みの時もあれば平日のときだってあるわ。覚えてないのね。2日の日よ」


「2日か・・・。ついたちの日だったら休みだから、どこかへ行こう」

「なんだかとってつけたような答えね。まあいいわ」


誕生日を忘れる失態に僕は気恥ずかしくなった。


「あのさ 今夜空いてる?」僕はとっさにごまをする。

「あいてるけど、なんで?」

「忘れた罪滅ぼしにホテルのバーで一杯でも・・」

「あなたが飲みたいだけでしょう」

「うん」

「まったく軽いんだから・・・いいわ8時だったら」

「じゃいつものバーで・・・」

携帯電話をそこで切った。GPS機能のランプが目的地と重なり到着したことを告げる。

また仕事に取り掛かった。


作品名:あなたとロマンス 作家名:海野ごはん