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なつきすい
なつきすい
novelistID. 23066
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カフェ・サニーディサンデー

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 ふとそれが、なんだかとてもうれしいもののような気がした。ちらりとマスターを見れば、そうだね、といって小さく笑っていて、ぼん、と顔に一気に血が上ったのに気づかれてしまわないように顔を逸らす。そらした先であの愛らしい容姿の彼がドヤ顔をしているのが目に入って、一気に顔の赤みが引いた。
「でも不思議なのが、先週大学でひなたちゃんと見間違えた子、本当に今のひなたちゃんと髪型そっくりなんだよね。もしかして俺の見たのは、一週間後の未来のひなたちゃんだったのかな。あまりにもそっくりなんだよ」
 ふと、そういえばこの彼は自分を「俺」と呼ぶけれど、先週殴り倒した例の彼は、自分を「僕」と呼ぶのだと、ひなたは気付いた。やっぱりこの彼もあの彼とは、よく似ているけれど、違うのだ。ただ違っていても、ふたりともまったくもって好みとは言い難いし非常に面倒くさいという事実に変わりはないのだけれど、それでも。
「きっとあなた疲れているんですよ。休暇を取ったらどうですか?」
 一週間前、彼によく似たあの彼に言った心がかけらもこもっていない言葉が、だけどどこか違う心持ちでもう一度、口からこぼれおちた。