世界に挑む平成建国政権 第1章
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http:/manpitu.blog.fc2.com 左記ブログは特に2012年の政治状況を風化させず、当時を印象付けるため内容を一部修正しました。全章は上記ブログにてぜひ是非ご一読下さい。またブログの”天からお金が降る社会”もご一読下さい)
2012.08.15
大国主 みこと
題 名 世界に挑む平成建国政権
第0章 暫定憲法統治機構
国家設計の設計仕様を記す。
第1章 クーデター勃発 12P
自衛隊の一部隊が防災訓練に乗じて議事堂を占拠し衆参議員を拘束する。
第2章 政権樹立 37P
暫定憲法の発効を議決させ、若手自衛官が世界の驚愕する政策を遂行する。
第3章 外交の始動 73P
防衛大臣が米国を訪問、各大臣が活発な外交を展開する。
第4章 平成憲法起草 94P
政権は起草手順の発表後に平成憲法起草の延期を発表する。
第1章 クーデター勃発
多数の報道ヘリが都内上空を乱舞する。日本ウェブ報道社の記者・轟太一は、ヘリ機内から連続して打上る花火を目撃する。轟は開花する花火にカメラを向け、
「只今13時、報道ヘリの退去を知らせる花火です」
次に日比谷公園に避難する群衆にカメラを向ける。
「今年のスーパーレスキュー2013は、予め要所要所に配布した災害状況書を本日未明突然、都知事が開封を指令して開始されました」
日比谷通りを北進する数十台の車列を眺め、カメラを向ける。
「何と云っても最大の特徴は、災害で寸断された道路を自衛隊ヘリが自衛隊並びに公的救援部隊を誘導する試みです。さながら自衛隊の活動は首都防衛の観を呈しています。ではこれでNWHの実況中継を終ります」
報道ヘリの群れが次々と都内上空を飛び去る。
日比谷通りを疾走する車列、先頭の軽装甲車上から身を乗り出す香山伸吾が皇居を仰ぎ敬礼する。車載無線機が感度良好な通信を傍受する。
「こちら第一飛行隊1310、離陸開始」
香山は手に持つ携帯無線機を口元に近づけ、
「こちら本隊、作戦を開始せよ」
「交通遮断、周辺監視異常なし」携帯無線機が直ちに応答した。
香山は後続車列を振り返り、無線機に向い、
「日比谷公園、内幸町交差点を右折中」
「1330、羊は檻に入った」無線機の応答に香山が首を上下に振る。
車列が霞ヶ関官庁街を進む。香山は右に経産省と左に農水省のビルを確認する。香山が桜田通りを横断し始める。桜田通り左右の交通を遮断している警官が敬礼し、
「第3中隊、周辺監視異常なし」警官服を装着する隊員達が手を振る。
香山は隊員を眺めながら敬礼を返し、通過して行く。車列が速度を速める。香山が国会議事堂正門と南門の分岐点に到着する。警官が交通遮断のゲートを開く、軽装甲車は南門へ向い進路をとる。
国会議事堂南門に乗り入れる香山、衛視が香山に敬礼し、
「第5中隊、敷地内と内部廊下の確保完了」
香山は衛視の服装する隊員に敬礼を返し、腕時計1340を見る。
都庁の防災センターに陣取る都知事と防災要員、新聞記者達が大スクリーンに映る医師団のトリアージ訓練と、ヘリ飛行隊の負傷者搬送訓練を眺めている。
「予告なし、これが実践に即した災害訓練ちゅうもんだよ」
都知事は思いのほか順調な訓練状況に満足の笑みを浮べる。
「都知事、年度末の訓練は国や方々から非難され・・・」
新聞記者の一人が意見を述べる。都知事は記者をジロッと眺め、
「バカもん、年度末には災害が起らんのかね」予想される都知事の反応であった。
国会議事堂の裏手、衛視達が道路と敷地の境界、金網フェンスを素早くシートで被う。第2中隊が参議員通用口に殺到し、香山本隊が衆議員通用口から院内に突入する。
議事堂内・突入した隊員達が静かに、素早く行動する。
衆議院議場内では議長が採決結果を発表している。
「起立多数、よって本件予算案は可決されました」
与党議員達が拍手し、ひな壇の浜室首相と大臣達がお辞儀する。そこへ香山隊が乱入する。迷彩服の香山が演壇に駆け上がる。議員達が一斉に、
「何だ、何だ!? 君らは」騒然となる議場。
「衛視、衛視、衛視はおらんのか?」立上り叫ぶ議員。
香山は浮き足立つ議員を見渡し、
「黙れ!! 黙れ!!」香山の声が罵倒の声に掻き消えた。
香山は天井に向け自動小銃を撃つ。女性達が悲鳴を上げ、男性達が身を伏せる。一段上に陣取り座る衆議院議長が香山に木づちを投げつけ、
「止め給え!!」香山が議長を振り仰いで睨み、大声で、
「今のは空砲」正面に向き直り、更に大声で、
「次からは実包を使う」香山はこれ見よがしに銃の弾倉を取替える。
香山は弾倉を取替えた銃を議場に向けて構え、
「ひな壇の閣僚の方々は第一委員室にお集り頂きたい」
議員達が席の名札を演壇に投げつけながら、
「君らは内乱罪だ!!」と口々に叫ぶ。
議場内を取巻いて立つ数十人の隊員が議員達に爆竹を投げる。
師団司令部室内、司令官と幕僚達が壁掛の大型表示器を眺める。表示器には地図、全訓練部隊の移動経路と現在位置、目的地到着予定時刻を表示している。
「部隊の誘導、人命救助訓練を終了し、交通路確保訓練を実施せよ」
司令官の命令に応え、作戦部長が腕時計1430を確認して無線機のマイクを握り、
「第一施設大隊、こちら司令・・・」
机上に置いた拡声器から、
「赤井司令官、新田である」テント内の一同が直立不動の姿勢をとる。
「新田幕僚長、赤井であります」
「自衛隊車両が議事堂内に入ったと目撃情報がある。その事実はあるか?」
「いえ、直ちに確認し報告致します」
衆議院第一委員室、総理大臣と閣僚大臣達が発言者席で横一列に座る。十数人の隊員がその後に並んで立つ。香山が委員長席に座る。隊員の一人が表紙に"暫定憲法"と記す印刷物を大臣達に配って歩く。
「我々は衆参議員と共にある。さて、お手元に配った暫定憲法制定を議決して頂きたい」「この内閣はそんな議決をするくらいなら私の権限で直ちに解散する」
浜室総理は左右に座る閣僚を振向き同意を促す。香山は平然と閣僚達を見渡し、
「現憲法は改革者すなわち占領軍の草案に沿い明治憲法の改正手続きを形式的に整え制定した革命憲法である。我々の暫定憲法も同様に形式的な体裁を整える。我々は総理の解散権などいとも簡単に封じる事ができる」
溝口防衛大臣が大笑いし、配った印刷物を香山に投げつけ、
「国民投票はどうするのだ、君らのたわ言が成功すると思うのか?」香山は溝口を睨み、「我々は既に国民の賛否を問うている。国民は我々の改革を必ず支持する」
香山は自信に満ちて断言する。
「君らは狂っている、この民主日本国でクーデターが成功するとでも?」
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大国主 みこと
題 名 世界に挑む平成建国政権
第0章 暫定憲法統治機構
国家設計の設計仕様を記す。
第1章 クーデター勃発 12P
自衛隊の一部隊が防災訓練に乗じて議事堂を占拠し衆参議員を拘束する。
第2章 政権樹立 37P
暫定憲法の発効を議決させ、若手自衛官が世界の驚愕する政策を遂行する。
第3章 外交の始動 73P
防衛大臣が米国を訪問、各大臣が活発な外交を展開する。
第4章 平成憲法起草 94P
政権は起草手順の発表後に平成憲法起草の延期を発表する。
第1章 クーデター勃発
多数の報道ヘリが都内上空を乱舞する。日本ウェブ報道社の記者・轟太一は、ヘリ機内から連続して打上る花火を目撃する。轟は開花する花火にカメラを向け、
「只今13時、報道ヘリの退去を知らせる花火です」
次に日比谷公園に避難する群衆にカメラを向ける。
「今年のスーパーレスキュー2013は、予め要所要所に配布した災害状況書を本日未明突然、都知事が開封を指令して開始されました」
日比谷通りを北進する数十台の車列を眺め、カメラを向ける。
「何と云っても最大の特徴は、災害で寸断された道路を自衛隊ヘリが自衛隊並びに公的救援部隊を誘導する試みです。さながら自衛隊の活動は首都防衛の観を呈しています。ではこれでNWHの実況中継を終ります」
報道ヘリの群れが次々と都内上空を飛び去る。
日比谷通りを疾走する車列、先頭の軽装甲車上から身を乗り出す香山伸吾が皇居を仰ぎ敬礼する。車載無線機が感度良好な通信を傍受する。
「こちら第一飛行隊1310、離陸開始」
香山は手に持つ携帯無線機を口元に近づけ、
「こちら本隊、作戦を開始せよ」
「交通遮断、周辺監視異常なし」携帯無線機が直ちに応答した。
香山は後続車列を振り返り、無線機に向い、
「日比谷公園、内幸町交差点を右折中」
「1330、羊は檻に入った」無線機の応答に香山が首を上下に振る。
車列が霞ヶ関官庁街を進む。香山は右に経産省と左に農水省のビルを確認する。香山が桜田通りを横断し始める。桜田通り左右の交通を遮断している警官が敬礼し、
「第3中隊、周辺監視異常なし」警官服を装着する隊員達が手を振る。
香山は隊員を眺めながら敬礼を返し、通過して行く。車列が速度を速める。香山が国会議事堂正門と南門の分岐点に到着する。警官が交通遮断のゲートを開く、軽装甲車は南門へ向い進路をとる。
国会議事堂南門に乗り入れる香山、衛視が香山に敬礼し、
「第5中隊、敷地内と内部廊下の確保完了」
香山は衛視の服装する隊員に敬礼を返し、腕時計1340を見る。
都庁の防災センターに陣取る都知事と防災要員、新聞記者達が大スクリーンに映る医師団のトリアージ訓練と、ヘリ飛行隊の負傷者搬送訓練を眺めている。
「予告なし、これが実践に即した災害訓練ちゅうもんだよ」
都知事は思いのほか順調な訓練状況に満足の笑みを浮べる。
「都知事、年度末の訓練は国や方々から非難され・・・」
新聞記者の一人が意見を述べる。都知事は記者をジロッと眺め、
「バカもん、年度末には災害が起らんのかね」予想される都知事の反応であった。
国会議事堂の裏手、衛視達が道路と敷地の境界、金網フェンスを素早くシートで被う。第2中隊が参議員通用口に殺到し、香山本隊が衆議員通用口から院内に突入する。
議事堂内・突入した隊員達が静かに、素早く行動する。
衆議院議場内では議長が採決結果を発表している。
「起立多数、よって本件予算案は可決されました」
与党議員達が拍手し、ひな壇の浜室首相と大臣達がお辞儀する。そこへ香山隊が乱入する。迷彩服の香山が演壇に駆け上がる。議員達が一斉に、
「何だ、何だ!? 君らは」騒然となる議場。
「衛視、衛視、衛視はおらんのか?」立上り叫ぶ議員。
香山は浮き足立つ議員を見渡し、
「黙れ!! 黙れ!!」香山の声が罵倒の声に掻き消えた。
香山は天井に向け自動小銃を撃つ。女性達が悲鳴を上げ、男性達が身を伏せる。一段上に陣取り座る衆議院議長が香山に木づちを投げつけ、
「止め給え!!」香山が議長を振り仰いで睨み、大声で、
「今のは空砲」正面に向き直り、更に大声で、
「次からは実包を使う」香山はこれ見よがしに銃の弾倉を取替える。
香山は弾倉を取替えた銃を議場に向けて構え、
「ひな壇の閣僚の方々は第一委員室にお集り頂きたい」
議員達が席の名札を演壇に投げつけながら、
「君らは内乱罪だ!!」と口々に叫ぶ。
議場内を取巻いて立つ数十人の隊員が議員達に爆竹を投げる。
師団司令部室内、司令官と幕僚達が壁掛の大型表示器を眺める。表示器には地図、全訓練部隊の移動経路と現在位置、目的地到着予定時刻を表示している。
「部隊の誘導、人命救助訓練を終了し、交通路確保訓練を実施せよ」
司令官の命令に応え、作戦部長が腕時計1430を確認して無線機のマイクを握り、
「第一施設大隊、こちら司令・・・」
机上に置いた拡声器から、
「赤井司令官、新田である」テント内の一同が直立不動の姿勢をとる。
「新田幕僚長、赤井であります」
「自衛隊車両が議事堂内に入ったと目撃情報がある。その事実はあるか?」
「いえ、直ちに確認し報告致します」
衆議院第一委員室、総理大臣と閣僚大臣達が発言者席で横一列に座る。十数人の隊員がその後に並んで立つ。香山が委員長席に座る。隊員の一人が表紙に"暫定憲法"と記す印刷物を大臣達に配って歩く。
「我々は衆参議員と共にある。さて、お手元に配った暫定憲法制定を議決して頂きたい」「この内閣はそんな議決をするくらいなら私の権限で直ちに解散する」
浜室総理は左右に座る閣僚を振向き同意を促す。香山は平然と閣僚達を見渡し、
「現憲法は改革者すなわち占領軍の草案に沿い明治憲法の改正手続きを形式的に整え制定した革命憲法である。我々の暫定憲法も同様に形式的な体裁を整える。我々は総理の解散権などいとも簡単に封じる事ができる」
溝口防衛大臣が大笑いし、配った印刷物を香山に投げつけ、
「国民投票はどうするのだ、君らのたわ言が成功すると思うのか?」香山は溝口を睨み、「我々は既に国民の賛否を問うている。国民は我々の改革を必ず支持する」
香山は自信に満ちて断言する。
「君らは狂っている、この民主日本国でクーデターが成功するとでも?」
作品名:世界に挑む平成建国政権 第1章 作家名:大国主 みこと