私は 人魚のおっぱいについている 貝になりたい。その三。
人魚のおっぱいについている
貝になりたい
ミジンコ・ママ
ミジンコには♂オスがいない。らしい。
みんな女の子。
生物の中にはときどき、成長の過程で性別の変わる種があります。
私が住んでいる近くの商店街には、「おっさん」なのか「おばはん」なのか性別不明の店主がいるたこ焼き屋さんがあります。
大阪には「おっさん化」したタイガース大好きなスナックのママが結構います。
でも、生物学的に「ヒト」は性別が変わったりしません。
ミジンコには なぜ オスが存在しないのか。
合理的なんですね。
セックスする相手を探して、相性とか嗜好性とか色んな問題をクリアしないと種の存続ができない「ヒト」よりも、一人で勝手に分裂するほうが子供(種)を増やす方法としては効率がよいのです。
でも、条件次第で突如オスが誕生します。
たまには、気持ちよくなりたいから。
違います。
水質が変化(悪化)したりしたときです。
Aという遺伝子から分裂したらAでしかないわけで、Aを死滅させるウイルス(水質変化)に対して絶滅の危機を迎えてしまう。そこで、オスを誕生させ、「分裂」では作りえないBという遺伝子を創造します。
すげぇな、ミジンコ。
なにがすごいって、「男なんて、その程度」的な感じ。
ああ、そういえば、前に阪神・真弓の大ファンだったスナックのママが言ってたよ、
「あんたら男なんて、女のために、女を気持ちよくするために、生まれてきたようなもんだから」って。
あのママ、確かに若干顔がミジンコぽかった。
作品名:私は 人魚のおっぱいについている 貝になりたい。その三。 作家名:子龍