魔法使いミカちゃん
「おかえりなさい」
学校から帰って来たミカちゃんに お母さんは、台所から声をかけました。
「あら? ミカでしょ。おかえり」
「……ただいまぁ」
ミカちゃんは、お母さんにあいさつをすると 洗面所に駆け込んでいきました。
いつも 家に帰って来るとすぐに「おやつはー」とミカちゃんは顔をのぞかせます。
だから、お母さんは、きょうはどうしたのかと 不思議に思いました。
お母さんは、そのわけを聞きたくて しかたがありません。
でも、お母さんは、ミカちゃんに尋ねたい気持ちをがまんしました。
洗面所から聞こえていた水の音が 止まりました。
お母さんは、ミカちゃんを 来るかな、来るかな、まだかしら と待っていました。
「おかあさん」
「なあに」
お母さんは、いつもよりも おっとりと答えました。
「あのね。これ、とれないの」
ミカちゃんが、お母さんの前に 手のひらを開いて見せました。
お母さんは、台所から ミカちゃんの手のひらを見ると、『マスク』と大きく書いてありました。
お母さんは、タオルで手を拭きながら 台所から出てくると ミカちゃんの手をよく見ました。
ミカちゃんは、手を ずいぶんこすったのでしょう。手のひらに書かれた文字は、少し薄くなっていましたが、手は、赤くなっていました。
お母さんは、その手を両手でそっと包み込みました。
「誰が、ミカの手のひらに書いたの?」
「さくらいせんせい」
桜井先生は、ミカちゃんの担任の先生で 同じくらいの子どものいる男の先生です。
学校から帰って来たミカちゃんに お母さんは、台所から声をかけました。
「あら? ミカでしょ。おかえり」
「……ただいまぁ」
ミカちゃんは、お母さんにあいさつをすると 洗面所に駆け込んでいきました。
いつも 家に帰って来るとすぐに「おやつはー」とミカちゃんは顔をのぞかせます。
だから、お母さんは、きょうはどうしたのかと 不思議に思いました。
お母さんは、そのわけを聞きたくて しかたがありません。
でも、お母さんは、ミカちゃんに尋ねたい気持ちをがまんしました。
洗面所から聞こえていた水の音が 止まりました。
お母さんは、ミカちゃんを 来るかな、来るかな、まだかしら と待っていました。
「おかあさん」
「なあに」
お母さんは、いつもよりも おっとりと答えました。
「あのね。これ、とれないの」
ミカちゃんが、お母さんの前に 手のひらを開いて見せました。
お母さんは、台所から ミカちゃんの手のひらを見ると、『マスク』と大きく書いてありました。
お母さんは、タオルで手を拭きながら 台所から出てくると ミカちゃんの手をよく見ました。
ミカちゃんは、手を ずいぶんこすったのでしょう。手のひらに書かれた文字は、少し薄くなっていましたが、手は、赤くなっていました。
お母さんは、その手を両手でそっと包み込みました。
「誰が、ミカの手のひらに書いたの?」
「さくらいせんせい」
桜井先生は、ミカちゃんの担任の先生で 同じくらいの子どものいる男の先生です。