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「舞台裏の仲間たち」 1~3

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 最初に見たのが、当時68/69と名乗っていた
(黒テント時代前の)佐藤信が演出をした「鼠小僧」でした。
圧倒的に完成されていたその舞台演出ぶりには、
驚ろきとともに、強い感動さえ覚えました。

 それがきっかけで、
とにかく場所を選ばずに、
沢山のアングラ演劇を見るようになりました。
当時は入場料も安く、混んでいたのは唐、寺山、鈴木忠志くらいでした。

 アングラ演劇の活況ぶりは、
既存の大劇団にも大きな衝撃を与えることになり、
そちらの方でも、数多くの新しい試みがはじまりました。

 しかしアングラ演劇の活況は、
1970年代いっぱいで、ほぼその終焉を迎えました。

 一部はTVや映画、
商業演劇などに呑み込まれてしまいました。

 また人気俳優のTV出演が、劇団の運営を難しくさせ、
脱退騒ぎなども目立ってきました。
先頭に立って頑張ってきた世代が40歳代にさしかかり、
劇団を継承する形での世代交代が難しかったことなども
原因としてあげらているようです。

 さらに寺山修司の死(1983年)が
幕引きした部分も、相当にあると思われました。
アングラの熱狂は、こうして10年そこそこで
消失をしてしまいました。

 一般には、
アングラ四天王の時代を第一世代と呼び、
つかこうへいを第二世代として、
それ以降の部分を、第三世代と呼んでいます。


 あれほど激しかった学生運動も
いつしか鎮静化をして、戦争を知らない世代が
髪を切って、大企業や地方の公務員へと就職を始めました。


 これから書きすすめる「舞台裏の仲間たち」の出来事は、
(多くの若者たちから圧倒的な支持を得てきた)フォークソングの題材が、
反体制や、反戦から、明るいラブソングにと、
衣替えを始めた頃の話です。