〜アルティナ編〜第1話
可愛らしい声が聞こえてきたが自分の彼女が転ぶを見たくないのか反射的に体が動く。
間一髪、アルティナをだき寄せることに成功したレイジ。
二人は鼻と鼻がつくくらい密着していた。
「ちょ、レイジ!?」
一瞬何が起きたかわからなかったようだがすぐに目の前の現実を理解するアルティナ。
二人の唇は数cmほど離れている状態で、吐息が近くで聞こえてくる。
「アルティナ、このまま……」
そういい、レイジは少しずつ顔を近づけてくる。
「えっ!?ちょ、ちょっと待って、心の準備がまだ…///」
内心期待していたのか少しだけ頬が緩み目をゆっくり閉じる。
先程までは数cmだった距離が今はゼロになった。
キスをしたせいか、少しずつ口の中に甘い味がしてきた。
「んっ……」
数秒の時間だったが長く感じた。レイジが唇を離すと名残惜しいのか少しだけ嫌な気持ちになる。
「もう、、、雰囲気とか守ってよね……」
「そうはいってるけどお前だって自分から目を閉じただろ…」
「それは、だって、、、、レイジだから、、、よ…」
そう言うと少年は顔を赤くする。
そして二人の少年少女は顔を赤らめ、月光の光を浴びる霊樹の下で唇をもう一度近づけ合う。
作品名:〜アルティナ編〜第1話 作家名:零零